日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
毎年母宛てに来る年賀状。
一年前の今頃のこと。
きみさんが自分で年賀状を書けなくなってからずっと返事を出さず仕舞なのに、それでも毎年年賀状をきっちりと元旦に送ってくださる方々の中に、懐かしいお名前を見つけた。
私が小学校1年から2年にかけて住んでいた秋田での遊び友達、あきらくんのお母さんである。
きみさんの気持ちを想像すると、年賀状を通してご縁が続いていた方たちに、現状を知らせることがいいことなのかどうなのかわからなくて、とても礼儀を欠いているとは思いながらもほったらかしにしていたのだ。
でも、とても優しいおばちゃんであったあきらくんのお母さんには本当のことを知ってもらいたいと思い、去年の中ごろに葉書を出してみた。
内容は、欠かさず送ってくださっていた年賀状のお礼 と きみさんの状況 と、そして「謝罪」である。
「謝罪」とは、返事を書かずに重ねた不義理に対するものではない。実は私からおばちゃんへの謝罪なのだ。
あんまり大声では言いたくないけれど、私は「超悪ガキ」だった。
年下のあきらくんを子分のように扱い、威張ってものすごく好き勝手に振舞っていたはずだ。
自分が小さい頃した悪さの数々は、記憶から消せたら楽だろうに、そうはさせるものかと正義の神様が見張っているらしく、再現フィルムを作れそうなほど鮮明に覚えているのだ。
その中でもワースト3にはいる悪事は、あきらくん一家が被害を被ったものだった。
お転婆でこまっしゃくれた可愛くない7歳くらいの私が、いつものようにあきらくん家にやってくる。ふと横を見ると、小石で縁取りした小さな手作りの花壇に、チューリップの芽が所狭しと顔をのぞかせていた。
私はそれを見て 思わずブルッとしてしまった。ちょこっとだけ頭を出している緑の突起が ずらずらと何列にもならんでいる光景に寒気がして、次の瞬間気がついたらそれらを長靴ではちゃめちゃに踏んづけていた。
数日後、何もなかったように再び遊びに行った私に、おばちゃんはやさしくたずねたのだ。
「おじさんとおばさんが一生懸命植えたチューリップがね、踏んづけられてだめになってしまっていたの。ちいちゃん何か知らない?」
おばちゃんはその時すでに、私の靴底と現場の足跡一致をあらかた確認した上で、聞いていたのだと思う。
アホな私は・・というか 悪魔の私は、「全然知らないよ。なんか人影見たような気がする。」・・みたいなことをしゃあしゃあと言ってのけたのだ。
その後もおばちゃんは、私が悪魔のような子だと知っていたはずなのに、ずっと優しくしてくれた・・・。
私の謝罪がおばちゃんの元へ届いたのかどうか・・それに対するお返事はなく、あ~、やっぱり本当はとても怒っていたのね・・赦せない。と思われても仕方ないものね・・と、どこかで悔恨の念 ひきずりながら日々くらしていたら、去年 師走に入った頃に、あきらくん自身から葉書が届いた。
おばちゃんの訃報をのせた喪中だった。
モノトーンの喪中葉書のわずかな空白に、「お葉書ありがとうございました。昔を思い出すと楽しいことばかりでなかなかご連絡ができませんでした。」というあきらくんの直筆が加えられていた。
おばちゃんは、私の謝罪を読んでくれたのだろうか?
それとも読まずに旅立たれたのだろうか?
おじちゃんもとうの昔に亡くなって、私は謝ることができなくなってしまった。
本当にあの時はごめんなさい。
改心して、そしてちゃんと罪を背負って生きていきますから。
一年前の今頃のこと。
きみさんが自分で年賀状を書けなくなってからずっと返事を出さず仕舞なのに、それでも毎年年賀状をきっちりと元旦に送ってくださる方々の中に、懐かしいお名前を見つけた。
私が小学校1年から2年にかけて住んでいた秋田での遊び友達、あきらくんのお母さんである。
きみさんの気持ちを想像すると、年賀状を通してご縁が続いていた方たちに、現状を知らせることがいいことなのかどうなのかわからなくて、とても礼儀を欠いているとは思いながらもほったらかしにしていたのだ。
でも、とても優しいおばちゃんであったあきらくんのお母さんには本当のことを知ってもらいたいと思い、去年の中ごろに葉書を出してみた。
内容は、欠かさず送ってくださっていた年賀状のお礼 と きみさんの状況 と、そして「謝罪」である。
「謝罪」とは、返事を書かずに重ねた不義理に対するものではない。実は私からおばちゃんへの謝罪なのだ。
あんまり大声では言いたくないけれど、私は「超悪ガキ」だった。
年下のあきらくんを子分のように扱い、威張ってものすごく好き勝手に振舞っていたはずだ。
自分が小さい頃した悪さの数々は、記憶から消せたら楽だろうに、そうはさせるものかと正義の神様が見張っているらしく、再現フィルムを作れそうなほど鮮明に覚えているのだ。
その中でもワースト3にはいる悪事は、あきらくん一家が被害を被ったものだった。
お転婆でこまっしゃくれた可愛くない7歳くらいの私が、いつものようにあきらくん家にやってくる。ふと横を見ると、小石で縁取りした小さな手作りの花壇に、チューリップの芽が所狭しと顔をのぞかせていた。
私はそれを見て 思わずブルッとしてしまった。ちょこっとだけ頭を出している緑の突起が ずらずらと何列にもならんでいる光景に寒気がして、次の瞬間気がついたらそれらを長靴ではちゃめちゃに踏んづけていた。
数日後、何もなかったように再び遊びに行った私に、おばちゃんはやさしくたずねたのだ。
「おじさんとおばさんが一生懸命植えたチューリップがね、踏んづけられてだめになってしまっていたの。ちいちゃん何か知らない?」
おばちゃんはその時すでに、私の靴底と現場の足跡一致をあらかた確認した上で、聞いていたのだと思う。
アホな私は・・というか 悪魔の私は、「全然知らないよ。なんか人影見たような気がする。」・・みたいなことをしゃあしゃあと言ってのけたのだ。
その後もおばちゃんは、私が悪魔のような子だと知っていたはずなのに、ずっと優しくしてくれた・・・。
私の謝罪がおばちゃんの元へ届いたのかどうか・・それに対するお返事はなく、あ~、やっぱり本当はとても怒っていたのね・・赦せない。と思われても仕方ないものね・・と、どこかで悔恨の念 ひきずりながら日々くらしていたら、去年 師走に入った頃に、あきらくん自身から葉書が届いた。
おばちゃんの訃報をのせた喪中だった。
モノトーンの喪中葉書のわずかな空白に、「お葉書ありがとうございました。昔を思い出すと楽しいことばかりでなかなかご連絡ができませんでした。」というあきらくんの直筆が加えられていた。
おばちゃんは、私の謝罪を読んでくれたのだろうか?
それとも読まずに旅立たれたのだろうか?
おじちゃんもとうの昔に亡くなって、私は謝ることができなくなってしまった。
本当にあの時はごめんなさい。
改心して、そしてちゃんと罪を背負って生きていきますから。
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