家のマンションの斜め下が梨の木畑で、開花から実りまでの過程を毎年６階のベランダから眺める楽しみがある。

毎春、満開の桜が散った後にハナミズキが花弁を広げる。
さてそれも散りかける頃に、その空白の寂しさを埋め合わせてくれるかのように、積雪と見まがう程の白い梨の花が、純白のカーペットを眼下に敷き詰めてくれる。

ここに引っ越して来たての時、その光景を初めて目にした私は、本当に季節外れの雪が降ったのかと一瞬見間違えてしまった。

夏は、その白い花が大きく実を結んだみずみずしい果実を堪能できる幸せな季節です。

友人が車で5分くらいの所で梨農家をしているので、いつも季節中一度は梨を買いに行かせてもらっている。彼女の健康的な日焼けは梨のお世話の賜物だ。
梨売り場で私の顔を見つけると、白い歯を見せてにっこりと笑ってくれた。

これでもかって言うくらいおまけしてくれたのに、彼女はまた別の梨袋を開いて赤ん坊の頭ほどある大きな梨を二つ詰め、
「これ、私から早希ちゃんに・・お供えしてね。お供えした後家族で食べれば一緒に食べたことになるんだってよ。だからそうしてね・・」
と言いながら、押し付けるように梨を私に渡してくれた。

遺影が隠れるほどの大きな梨を二つお供えして、彼女の教え通りにその後家族で一緒に食べた。

ハルは梨が大好き。
ハルと一緒に食べる梨は格別美味しい。

小さく噛んでハルにあげると、目をくりくりさせながら、シャキシャキ言わせて食べる。
この上なく可愛い。

家の周りは梨だけでなくぶどうも有名。
散歩途中に梨畑やぶどう畑の前をいったい何回通るだろうか・・それくらいたくさんある。

いつもの散歩コースで、ブドウ畑を通り過ぎてすぐ、憧れの白い家がある。
三角屋根のそのお家はこじんまりと可愛らしく、お庭の広さも大き過ぎず小さ過ぎず手ごろで、
季節ごとに何かしらの花が可憐に咲いている。

自分の家は大好きだけど、やっぱりお庭のある家は憧れる。
想像の中での私は、自分のお庭でハーブガーデンを耕し、夏にはトマトを収穫し、たわわになったレモンの木から一つ二つ果実をもぎ取り、ミントレモンスカッシュを作っては縁側ですすっている。

「縁側」って場所はとても憧れる。
一戸建てがマンション６階と大きく違う所は、文字通り地に足がついている所。
縁側は土への橋渡し地点だ。


緊急事態宣言が広がる中、またヨガクラスの開催継続が危ぶまれてきた。

「また少しの間お休みしなくてはならないかもね・・」と私が言ったら、
生徒さん達が子供みたいに「やだーっ」　と言った。
・・そんなこと言ったってしょうがないじゃない　と言おうとしたら、一人の生徒さんが
「先生、家来ませんか？」と言い出した。
「え？そんなに広い場所があるの？」
「２０畳くらいの部屋があるので、みんなでヨガできます」
はあ・・・・。

というわけで、もしも公の場所が使えなくなったら、その生徒さんのお宅でクラスを行う可能性
も出てきました。ヨガを続けたいとそんなにみんなが思ってくださることが私は本当に嬉しい
しありがたいです。

この前作ったシュークリーム、２人でぺろっと食べてしまい、でもその後、シュークリーム
のカスタードは卵黄だけ使うので、余った３個分の卵白でラングドシャというお菓子を作って
みたら、サクサク食べられちゃって止まらなくて困ってる。

結局ダイエットって言ったって、甘いものはやめられない私。
あと一キロがなかなか落とせずにいるけれど、今やっていることがダイエットならば、
健康でいるために必要なことしかやっていないので、あと一キロ落ちたとしてもその後もずっと
やめるべきじゃない、と頭でわかってる。

頭ではわかってるんだけど・・あ～あ、一生努力しなきゃいけないの嫌だなあ。
でもしょうがないからするのかなあ・・ブツブツブツ・・・

私と同じ人間のはずなのに、オリンピアンもパラリンピアンも想像を絶する努力をしてるのは
疑問の余地もない。

視覚障害のパラリンピアンの方々がメダルを取ってインタビューされているのをテレビで見た。
印象深かったのは本人が淡々とインタビューに答えている横で、伴走された健常者の方(ガイド
ランナーって言うのでしょうか・・)が本人よりも嬉しそうで誇り顔であったこと。

こういうのは　本当に良いなあと感じて、気持ちも体も柔らかくなって、ほっとします。