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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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ずっと観たかった映画の最終日にぎりぎり間に合った。

 昨日、ペネロペクルス主演 ペドロアルモドバル監督の 「抱擁のかけら」を観に行くことを選択し、バレエのお稽古を休んで、ららぽーと横浜の東宝シネマに行ってきた。

 でも実際のところ間に合ってはいなかったんだ。

 一度観ただけでは味わいつくせないとても濃い映画で、できることならもう2,3度観たいと切に思ったからだ。

 赤をアクセントにした鮮やかな色の洪水、美しい風景、ペネロペクルスの妖艶で大胆かつ愛らしい表情。交錯する人間図。それぞれの登場人物が抱く愛憎、嫉妬、執着、忍耐、諦観、絶望、希望が渦巻き、観てる側の私はショート寸前。

 それらのすべてが引きちぎられた写真の一片一片のようであり、その一片一片が時間という試練に耐え、時間という洗礼を受けて、あるべき場所へいざなわれ、収斂されるのだ。

 ペネロペクルス演じるレナと映画監督マテオの燃え盛る炎のような恋は、事実上 炎に包まれるような終わり方をする。

 その激しさ故にそちらに引きつけられる一方、静かに密かにくすぶり続けるマテオとそのマネージャー ジュディットの関係、ジュディットの彼への静かな想いに私は心惹かれた。

 奔放に女性と関係を持ち恋に落ちるマテオに、そして悲しい事件の後に、事件前の自分を封印するかのごとく名前を変えてしまったマテオ改め ハリーに、いつのときでも ジュディットの視線がある。

 彼女の中に封印していたものは、事件の全容だけでなく、彼女の抑えきれない嫉妬とねたみだったのではないかと思えてならない。

 私の一番好きなシーンは、そのジュディットが事件で視力を失ってしまったマテオの腕をとり階段を下りる場面。 

 長年連れ添った夫婦のように自然なのだ。

あー、もう一度観たい。六本木や新宿ならやってるけどちょっと無理だと思うし。
あとはDVDが出るのを待つしかないかな。
 
 それにしても私はペドロアルモドバルの映画が好きだ。
もう一度「All about my mother」を借りてきて観ようっと。

 

 
劇場に足を運んだのは何年振りだろう。

 久々の予定のない一日が、千円で映画が観れる水曜のレディースデイにあたったのだから、これはもう行くしかないでしょ。

 というわけで、家事もそこそこに切り上げて、クリントイーストウッド監督の「インビクタス」を観てきました。

 かたくなで冷え冷えとした関係が、次第にやわらかく溶け合っていくようなものを描かせれば、この監督の右に出る者はそうそういない。それが個人レベルであっても国家レベルであってもだ。

 「ミリオンダラーベイビー」での、イーストウッド自ら演じるボクシングトレーナーと女性ボクサーの関係も、心にずっしり来た覚えがある。

 その「ミリオンダラーベイビー」で、味のある役所を見事に演じていたモーガンフリーマンが、今回の主人公、ネルソンマンデラなのである。やっぱ彼以外は絶対考えられないでしょ。

 モーガンフリーマンを選んだ時点で、もうこの映画はすでに半分成功したと言えるんじゃないかな。

 ネルソンマンデラの大統領就任により、水と油のようにくっきりと分離していた黒人と白人が、ぎこちなく混ざり始める。

 ずっと虐げられてきた黒人が 様々な場面で嫌々でも白人を受け入れたのは、赦すことこそが 真に国を変えていくための第一歩なのだ。とマンデラが諭したからである。

 完璧白人寄りであったラグビーチームは、それでもマンデラによって支持され活気付けられ、ワールドカップの勝利をひとつ またひとつと、もぎ取っていく。

 国中が一丸となってラグビーチームの勝利に向かうとき、肌の色を意識することなく、すべての人が美しく混ざり合うのだ。

 近年、高嶺の花のようになってしまった、希望 を感じさせてくれるいい映画だった。
 



 
 再々再々放送、いやもっと再が必要かなってくらい、何度も放送されるドラマがあるでしょ? あれはやっぱりそれだけ見る人がいるのよねぇ、きっと。

 数日前にまた始まった「恋のチカラ」もそのひとつだと思う。

 私自身、もう今度は見ない。と思いながら、時間がある時なぜか見てしまっているのだ。

 もちろん深っちゃんが好き、というのも理由のひとつだけど。

 話の行き先がわからないからドラマは面白いはずなのに、でもわかっていて見ている安心感ていうのもあるんだと思う。

 それでなきゃ ディテイルは違っているとしても、話の流れやたどり着く先はいつも一緒の 寅さん や 水戸黄門 があんなに長く愛されつづけないでしょう。

 寅さんといえば、以前 BSで「男はつらいよ」を全部放送してくれたので、見てないものは全て見たし私の寅さんライブラリーも完全になった。

 だからいつでも見れるのに それでもあらためてテレビで放送されると、これがまた何故か見てしまうんだ。

 テレビ覧でおなじみのタイトルを見つけたとする。そうするとそのドラマや映画で中心になっていた場所が懐かしく思い出されてそこに浸りたくなるのだ。

 とらやさんのガラス戸、閉店時にかかっているよれよれのカーテン、アルマイトの洗面器を置くのが似合いそうな長四角のテーブル、おばちゃんが大盛りの煮っころがしを作る手狭な台所。そしてみんなで囲む食卓。

 私も行ったことのあるような気になってしまってそこに戻りたいと願うのだ。

 こうして私は何度も何度も同じものを見てしまうのです。
 
もともと出不精な私は、寒くなると余計に家にとじこもりたくなる。
かと言ってまめに家事をするのかと言ったら、そりゃまた別問題だ。

 アイロンされるのを待っているシャツやハンカチたちの山が、日ごとに大きくなっていくのを視野の隅のほうで確認しつつも、見なかったことにして、ハルとじゃれたり、雑誌をめくったり、ちょっと勉強みたいなことしてみたり。

 アイロン超嫌いなんです。

 嫌いなことは、ながら作業でごまかすに限る。
ということで、アイロンの時間イコール、私のテレビを見る時間 映画鑑賞の時間となる。

 右手を絶えず動かしながら、河瀬直美監督の 「沙羅双樹」を見始めた。
でもすぐに、河瀬監督の映画は、何かをしながら見れるようなものではないことに気づいた。
 
 台詞が少なく、つまりそれこそ言葉で何かを説明することを忌み嫌うほどに少なく、目の前の圧倒的な映像を、そのままポーンと無垢の状態のまま見る側に気前よくあずけてくるのだ。映画の原点て、こういうものなのかなと思った。

 この沙羅双樹では、監督自身も役者として 重要な位置を担っている。

 お産のシーンは、自分のお産を思い出すほどにリアルだった。
これまでドラマや映画で見たお産の典型的シーンは、うそ臭さ満点の騒ぎ過ぎ、ってやつだった。

 お産は、陣痛と次の陣痛の間は結構普通でいられるものだ。私なんてまだ間隔があいている時は居眠りしていたくらいだから。

 河瀬映画は、余計なことをしない。役者に演技をさせない。(出演した役者さんは、演技する。ということについて改めて考えさせられるのだろうな。)商業的なうけをねらわない。そして私たち観る側は、価値観を試されてしまうのだ。

 実際私は、カンヌで新人監督賞を受賞した「萌の朱雀」をあまり理解できていないと思う。

 それでも私は河瀬さんの映画が好きだ。河瀬さん自身も好きだ。

 あの器のでかさは、やはりただものではない。半端なく器がでかい女性というのは、女神に近い。男性はたちうちできないだろうな。

 そういえば最近もうひとり女神を見つけたの。
写真出版社 赤々舎代表の 姫野希美さんだ。
無名の写真家を年月かけてじっくり見守り世に送り出す。

 二人には大きな共通点がある。商業ベースでけっして動かないところだ。
 
 女神たちの活躍を陰ながら応援したい。

そして私のアイロンの山は増えるばかり。

 


 
 
 
もしも自分の愛する人が、命にかかわる重病のため緊急手術を要し、高額のお金を工面しなくてはならない状況に直面したとしたら、人はどう行動するのだろう。

 映画「やわらかい手」のマギーは、孫の命を助けるためにやむなく性産業の世界に足を踏み入れる。それまで目覚めさせる必要のなかった”黄金の手”を使って、彼女はその世界で頂点を極め、息子夫婦と孫の 病院までの渡航費用、そして手術代を稼ぎだす。

 そこへ行き着くまでの彼女の葛藤 苦悩 諦観 達観は、それぞれのシーンで彼女の表情や身体からじみ出ている。

 マギーのやっていることは、大きな声で言えるようなことではないのに、彼女を美しいと感じるのはなぜなのだろう。

 それは多分彼女が、いつのときでも大事なものは何かを把握し、それを軸に余計なものをそぎ落としながら潔く生きているからだと思う。

 彼女の魅力は、言葉より多く語るあたたかいまなざしであり、そして時にそれが人間のうわっつらを見通してしまう鋭いまなざしに変わることである。

 人がさげすむようなことを経験したからこそ、またその世界の人たちと人間的なかかわりをもったからこそ、彼女のものの見方がよりゆるぎない焦点をしぼりだす。


 この映画も、今はなき筑紫哲也さんが番組でお勧めの映画としてあげていたもの。
私は、実際のテレビ番組は見損ねて、後々本を読んでいて知ったのだ。

 筑紫さんはどういう解説をしていたんだろう?
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