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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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 昨日書いたブログを読み返したら、文章のそこかしこに 自分のどす黒い「我」が
見え隠れしていて正直あきれた。

 山形の旅で、一段のぼるごとに煩悩をそぎ落とす・・と謂れのある「宝珠山 立石寺」、通称「山寺」の階段を800段も上ったのに。

 私の煩悩は、除夜の鐘を聞こうが、山寺を登ろうが、そう簡単には取り除けないよ
うだ。もう人生の半分を大きく過ぎているというのに。困ったことだ。

 煩悩排除には失敗した私だが、この山寺は、素晴らしい時間を私に与えてくれた。
宗教心の薄い私でも、その場に漂うすべての教えをおごそかに享受しようと 背中をぴっと伸ばしたままひたすら階段を上り続けた。

 閑さや岩にしみ入る蝉の声   

 「おくの細道」で有名なこの句は、芭蕉がこの山寺を訪れたときに読まれたものだそうだ。

 豊かな緑の中に、にょきっと現れる荘厳な岩肌。
中間地点で拝める「弥陀洞」は、雨風が自然の岩を削りとり、年月とともに徐々に形を与え 誕生させた「阿弥陀如来」だそうだ。

 眼前にそびえ立つ岩を、阿弥陀如来仏の姿と感じることができれば、幸福が約束されるらしい。 説明文は、・・・仏の姿に見ることができれば・・と書いてあったかもしれない。  私? う~ん 見えたかなあ~?・・感じることはできたと思うの。

 途中 樹齢千年を超える大木に出会い、そのときこそ何よりも増して 私の乾いた宗教心にみずみずしさを与えてくれた瞬間だったかもしれない。











現実にひき戻され、洗濯掃除に明け暮れた。
同じ家を出て山形に向かい 同じ家に山形から帰ってきたのに
その散らかりようは、その当たり前の感覚を麻痺させるほどだった。

 子供たちが我々のいない間に 友達を呼んだようだ。
掃除をしていると、麻雀の点棒が落ちていた。
無機質に そしらぬ顔をしながらも、我が家における空白の3日間を
物語ってくれていた。

 夢のような三日間は、もはや幻想のようだ。
もしかしたら現実逃避だったのかもしれないとも思えてしまう。

「子供より親が大事。」とは、太宰治 の「桜桃」に繰り返される
言葉。太宰が39歳で入水自殺した同年に書かれた作品である。

 図らずも、さくらんぼで有名な旅先の山形で、電子辞書に収録されて
いる太宰作品をいくつか読み返したところなのだ。

 日常生活の心配事、煩わしさを重たく引きずり 煩雑な毎日に消耗
されながらも、家族のかたちを保っている夫婦の話。

 大変さに気づかぬように鈍感でいようとすることは、ひとつの処世術
なのであろう。

 家族。私にとって幸せの必須不可欠でありながら、同時になんと煩わしい
ものであることか。

 息切れしながら支払った子供たちの学費も残すところあと一回。
「稼ぎ始めたらすぐに独立。」を合言葉に子育てをしてきた。

 あと半年が、これなかなかきつい。
「子離れができなくて・・・。子供にはずっと家に居て欲しいと思うの。」

 こういうお母さんを心から尊敬する。私には無理。
早く自由になりたい。

 前から思ってたけど母親向きじゃあないのよね。

 憂鬱が家庭の空気に漂い始めると、太宰はそこから逃げてお酒を飲みに行く。
お皿いっぱい出されたさくらんぼを目の前に、子供に持って帰ったら喜ぶだろう
な、と思いつつも がむしゃらにさくらんぼを食べては種を吐き 食べては吐きを
繰り返すのだ。

 さくらんぼの季節、私の密やかな悪事。
何気ない日常のお買い物の中に こっそりさくらんぼを紛れさす。

 家族のいない日中に、こそこそ食べるのだ。
安っぽいプラスチックケースの底を 種と蔓が覆い尽くすまで、太宰のように
食べては吐き 食べては吐きを繰り返す。

  



山形はやはり遠かった。
でも いっぺんに好きになった。

 さくらんぼを思い浮かべるくらいの知識しかない我々が、夏の旅行先に山形を選び、滞在中その魅力の虜になっていったのだ。

 お国なまりの温かさに心溶かされ、食べ物のおいしさに体がよみがえり、壮大な自然に浄化された。

 観光地にありがちな、うわっつらだけ仰々しく整えたものを 機械的に押し出されるようなのとは大きく違い、あらゆるところに郷土愛が浸透しているのを感じた。

 土地で採れる旬の食材が、もっとも活きるようにと心細やかに調理され盛り付けられたものを、ひとなつっこいお人柄の山形美人のお運びさんが、お国なまりを混ぜながら丁寧にお料理の説明をしてくださるのだ。

 並べられたお料理の どれひとつを取っても、郷土の香り芳しく、奥深い味わいに心も体も満たされていった。

 一日目は、「四季のホテル」二日目は 銀山温泉町の旅館 「永澤平八」。両者とも その温泉と郷土料理に、「大変なこともあったけど、頑張って生きてきて良かった・・。」と思えたほどだ。

 たくさんたくさん写真を撮ったので、これから数日は 山形色のブログです。







子供たちが大人になったからなのだろう・・土日の過ごし方が数年前とまるっきり違ってきている。

 子供が小さい時は、必ず家族みんなひとかたまりで行動していたものだ。おつかいに行くにも遊びに行くときもお医者さんに行くときも である。

 それがある日 彼らはお医者さんに一人で行けるようになる。友達との付き合いがより大切になり、バイトに忙しくなって行った。暇な時でも 部屋でパソコンや携帯をいじってたりするようになった。

 そのようにして「夫婦 プラス ひとワンコ」で過ごす時間が増えていったのは、自然な流れなのかもしれない。

 最近では、ダンナがバンドの練習に行ったり、私が英語のミーティングに行ったりと、土日に夫婦でさえも たまに別行動を取るようになった。

 家族って 変幻自在に形を変えながら、その時々のバランスをとって行くものなのだなあ・・と最近つくづく思う。 

 そうやって だんなが土日に練習に励んでいたバンドのライブが実は昨日だったのだ。大学時代の先輩 同期 後輩 が結構たくさん集まってくれて盛り上げてくれた。

 大学卒業後、30年のブランクを経ての再結成であるにもかかわらず、懐かしい という感じではなかったのが不思議と言えば不思議だ。

 それよりも何か 始まりの予感 というか 可能性 というか、未来を感じさせてくれるライブだった。

 それにしても、少しずつではあっても自分の時間を使って、また学生時代の友人と活動できるなんて 子供が小さい時は想像できなかったことである。

 ライブ後、みんなで居酒屋さんに繰り出し、ほろ酔い気分で店を出た。

 
あ~、終わった。これでひと区切りだ。

 昨日の本番まで、お経のように唱えていた、スピーチ原稿。
Toastmasters English での二回目のスピーチ任務を終えたのだ。

 苦しかったけど、この開放感、たまらない感じです。

 今回のスピーチは、このブログでもお馴染みの 自然公園の描写から始め、そこから徐々に、人間は どのように自然と共生していくべきか。というかなり大きなテーマへと発展させていった。

 途中ちょっとつっかえたり言い直したところもあり、やっちゃったなー・・と思っていたにもかかわらず、後から直接 「すごい、よかった。」とかなり強い調子で言いに来てくださる方が何人か居て、言いたいことが伝わっているなら、まあまあ成功かな、と思うことにした。

 金曜日、私の大好きな忌野清志郎さんの絵画にスポットをあてた番組があった。
昔々からキヨシローの音楽と共に、彼の絵に愛着を持っていた私にとって、それはまさに天国の彼からの極上のプレゼントだった。

 放射線治療のためつるつるになった頭を逆手にとって、彼は入院中 毎日毎日自分の顔をカメラにおさめる。

治療後においても、徐々に生えてくる髪の毛を冷静に見つめながら、毎日毎日自分の顔をカメラにおさめる。

 武道館で行われた、「完全復活祭」のオープニングに つるつるだったキヨシローのあたまの上に、生き物が大きく背伸びをして動き出すように髪の毛が成長していく様子が映し出される。超早送りのその映像は、自然番組でよく見るような、固い蕾が徐々に花びらを緩め、開き切るまでの映像に似ている。 

 キヨシローはこの映像をオープニングに流すことを望んだという。

 完全復活への 彼の静かな意気込みが これほどまでに真摯に直接的に人の心に届くやりかたはないだろうな・・

 彼はあくまでも アーティストだったのだ。

 
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