美容院が嫌いなのである。

　小さいときから落ち着きがなく、じっとしているのが苦手な子だった。
だから　あの美容院の椅子に縛り付けられるように座っていると　息苦しくなってくるのだ。もちろん今は大人なんだから落ち着いた素振りを表面的にはしているけれど。
　
　若いお兄さんに頭を触られながら世間話をするのがこれまた超苦手。
息子くらいの年齢のお兄さんとしゃべっているからと言って、お母さん目線でものを言うのもなんだし・・。そこでの居心地のよさそうな立場を無意識に探していくうちに、エイジレスで中性的な得体の知れない変な人が美容院の椅子に座ることになる。
その変な人は、他ならぬ、私なのですが。

　こういう調子で、結果美容院の敷居の高さに背を向け続けると、私の頭は「山んば」のごとき様相を呈し始める。ほとんどの時間を、きゅっとひとつに結わき　頭の上にお団子つくったりすることで、やまんばである正体をあばかれないようにしているのであるが・・。

　たぶん　この前の美容院からゆうに７～８ヶ月は経っていただろう。

　んで、昨日とうとう行って来ました。美容院に。
面倒くさいから、お兄さんの言うとおりに　縮毛矯正、デジタルパーマをしてもらい、かなり扱いやすくなりました。

　シャンプーもしやすいし。　これからは「山んば」が私の正体ではなくて、たまに　「山姥　に変身してしまう私」・・というくらいのスタンスで行こうと思う。