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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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うっすらと細目を開けると、筒に被せられている皮のキャップの黒色が、ほとんど全ての視界だった。

トロトロとした頭を、鈍い触覚の肌を、つまり気味の鼻を、わずかに機能させると、顔をくっつけあってハルと居眠りしていたことを思い出し、心、はずませる。

ハルの全てを収束している黒豆色の鼻を、改めてマクロレンズの気持ちで見つめてみる。

気温が日、一日と下がってくると、手放すものもあるかわりに、こんな大きな楽しみもやってくるのだ。

それに、もしも夕暮れ時が寂しいものならば、この季節のものが、最高のはずだ。

 秋の食欲は、いまだとどまるところを知らず、邁進中。

今日は、なぜか泥臭いごぼうに心惹かれ、おわんいっぱいささがきにして、とりごぼうの炊き込みご飯を炊いている。

こんにゃく にんじん おあげも すべて千切りにして加えたら、超 具沢山の湯気が、今吹き始めた。

秋の景色も、ちょいと足をのばせば、てんこもり。

何のことはない葉っぱが、とても美しい季節です。



ちょっとこじんまりとした深紅の紅玉りんごを見つけると、お菓子が作りたくなる。

去年友達に教えてもらったタルトタタンを作るつもりで、98円の紅玉を4個買っておいた。

 すると 休み中のだんなが、タルトよりサックサクの層になったアップルパイが食べたい。とめずらしくきっぱりと主張したので、そんな面倒なこと、どの口が言ってるわけ?と文句言いながらも、アップルパイの用意に取り掛かった。

 生地をまとめた後に1回。 伸してたたむ、を繰り返した後に、計2回。冷蔵庫で30分ずつ休ませなくてはならないのをのぞいて、面倒な手順はこれといってなく、自分の記憶のイメージよりずっと簡単に出来上がってくれた。

 一晩冷蔵庫で冷えて固くなったアップルパイを、さっきもう一度トースターで軽くあたためて、バニラアイスを横に添えてお昼代わりに食べてみた。




 うーん・・と唸りそうなほどおいしかった。
唸りながら、天にも昇るような心地になり、すごく久しぶりに、あ~、生きててよかった・・と心底思った。

 秋の味覚の探求は、まだまだ続きそうです。

 おととい、ハルのお散歩に 仲町台のせせらぎ公園に足を伸ばした。
あいかわらず、鳥撮りさん達が池の前にたむろしている。
サギとかわせみを、私もえらく遠目ですが、写真に撮って来ました。

 かわせみのくちばしと体の比率が、頭でっかちの子供みたいで、本当に愛らしいです。そして、その色は、文句なく美しい。

 憧れの、超望遠レンズが、顔を覗かせ、そろりそろりと私の視野の中に入ってきた。







今 野菜はバカ高い。でも、ちくわは常に 安いものは安い。
スーパーに寄っては、竹輪を買っている私。

また始まってしまった。同じものを毎日毎日食べたくなる病気。
以前野菜の塩だれのレシピをここに載せましたが、そのベースに、ただ竹輪としろゴマを加えて、気軽に市販のドレッシングをかけて食べる・・というコトにはまってしまっている。

竹輪アボカドきゅうりトマト。
白 茶色 黄緑 緑 赤色。カラフルなのもポイントなのかな。

9月中は、食べることに興味がまったくもてなくて、体のためにむりむり食事をする、という不幸な時期をくぐっていた。で、その反動なのか、今 爆発的にあふれ出てくる自分の食欲に、ちょっととまどい気味。

「食欲の秋」・・のド真ん中に、私はいます。

ちょっとヤバイんじゃないかと思うのは、引きこもりのように長時間家に居て、食べることにひたすら喜びを感じているこの状態。

急にきつねうどんが食べたくなったと言っては、いそいそとおあげさんを甘辛く煮る。駄菓子のような一口最中を、そんなにいっぺんに食べなくても、というくらい何個も立て続けに食べる。

そしてお腹いっぱいになると、ハルとごろごろいちゃいちゃする。
うーん。どう考えてもいけない傾向でしょ。

唯一の頼みは、FOXbs238の番組、ヒーリングヨガだ。

30分のハタヨガのシークエンスを、一日に3~4回放送してくれる。
これが、気持ちいい。

私はこの番組のおかげで、何とか最低限の人間らしさと体型を維持しています。

ちょっと前になるけれど、日曜日に市民の森で、念願の彼岸花を見つけたので載せておきます。彼岸花の赤・・も、今の私には、紅しょうがの赤に 見えなくもない。














赤を探していた。
だだっ広い緑の中に、一点、彼岸花の深紅を探していたのだが一向に見つからない。。

 去年咲いていたはずの場所は、隅々まで草刈が行き届き、名残のひとかけらもない。
しょんぼり帰る公園の遊歩道、赤色をあきらめた途端、ふと前日のテレビで見た可愛い白いクマを思い出す。

 NHKアーカイブスで放送された「白くまピース」だ。

 誕生から数ヶ月の赤ちゃんぐまは、文句なく可愛い。
「ほんと ぬいぐるみ みた~い。」なのだ。

このドキュメンタリー、「飼育員の高市さんと白くまピースの5年間の記録」は、様々な大切な
ことを私に再確認させてくれた。

 ピース。平和。
たくさんの動物が園で殺された。その戦時中の悲しみを、2度と繰り返さないように・・という
気持ちが込められた名前だそうだ。

 母親の育児放棄によって、やむなくピースの人工哺育が始まる。
前例のないむずかしい哺育に、飼育員の高市さんは、全身全霊で取り組み、感染症の危険な時期
を乗り切る。

 その後、すくすくと育つピースを世話しながら何気なくおっしゃる高市さんの言葉が心に響く。

「目を見れば、彼女の感情や体調の変化が読み取れる。普段からずっと一緒にいないとわからない
微妙な変化なのでしょうが・・。」

「言葉のない関係で、その動物が一番何を求めているのかを考える飼育員でありたいし、そうでな
くてはならないと思います。」 

水に慣れさせる訓練中に、水を怖がったピースが高市さんを噛んだ。
すぐにバシッとたたいてものすごく怒る。

「信頼関係があるからたたける。そうでなければすぐに敵とみなされてしまう。」

 動物を育てるのも人間の子供を育てるのもきっと根底は一緒なのね。
子育てをしている頃に、高市さんの言葉を聞いてみたかったな。
黒の礼服を互いにまとって、30年ぶりの先輩達に再会する。

 コツンと抜けてしまった欠落の穴を共有しながらおじぎしあうと、遺影の中で微笑む彼の 生きていた大学時代、そして彼のいない今、の間の長い長い30年間を、「あっという間」の点にしてしまった。

 居酒屋で献杯を重ねる。
彼の席を作り 白ワインを満たしたグラスを置く。

 ひょうきんでいつも人を笑わせていた彼のことを、誰かがこう言った。
「・・・・のことを悪く言う人はひとりもいなかったね。」

 みんながうなづく。

 深刻な病床にあってもそのことを伏せて、常に周りに明るく気丈に振舞う彼の傍らで、正直つらかった。と奥さんが言った。

 私は彼のどれくらいの「本当」を知っていたのだろう。
へらへらと、おかしなことを言って笑わせてくれる、あのゆるくて楽しい彼しか知らないのだ。

 ワインのおかわりを重ねていたら、向かいにすわっていた同期のたえが、えんえんと泣いている。

 気が強くって、人一倍元気な彼女が声を上げてびしょびしょになっているのを見ていたら、あったかい気持ちがこみあげて 彼女をずっと見ていた。

 「ねえ、みんな悲しくないの?」 と腫れたまぶたを動かして私を見た。

「悲しいよ・・・・。でもたえがそうやって泣いているの見てると、不謹慎かもしれないけれど、嬉しい気持ちがするの・・」

変なことを言ってしまった私に、ありがとう。と涙声で言い、彼女は続けた。

 「私、きっと最後だと思う。私の時には誰も見送る人がいないかもしれない。そう思うとまた寂しくて悲しい。」と言って、また泣いた。

 私はなんだか彼女を抱きしめたいような気持ちになり思いつきで言ってしまった。

「大丈夫だよ。こちらで送る人と天で迎える人の人数が移動するだけの違いだから。先に逝ってたら温かく迎えるからさ。なるべくここでも一緒に長くいれるように私頑張るし。」

 翌日、お酒が抜けてから、メールで彼女が同じことを言ってきたので、私もまったく同じことを書いて返信した。

 そしたらいつもの彼女らしく 「了解っす。」
と絵文字つきで返事が来た。





 

 

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