Admin / Write / Res
日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
[310]  [309]  [308]  [307]  [306]  [305]  [304]  [303]  [302]  [301]  [300
 どちらも車の中で信号待ちをしている時だった。

目前で、一秒前にこの世に存在していた命が、一秒後には絶たれていた。

 数年前にはお年を召したご婦人が、そして、数日前には小さなかわいい黒猫ちゃんが、それぞれ不注意な対向車と、そしてバイクの犠牲となったのを目撃してしまった。

 ところが、あれだけショックを受けた数年前の事故を、今ではほとんど思い出さなくなってしまっている。時々現場を通るときに身を引き締めるくらいの程度に、もはやなってしまったのだ。

 数日前の黒猫ちゃんの事故の直後、駐車場の車中で、さんざんぱら泣いて、その日は一日中、思い出してはじめじめと泣いていたのに、今ではひとつの出来事として片付けようとしている自分がいる。

 出来事そのものが、日々とともに薄れていくのは、ありがたいことでもあるのだが、その反面 忘れてはいけないんじゃないかという思いもあり、「覚えていて思い出すんだ」と自分に言い聞かせたりもしてみる。

 不思議なことに、出来事そのものは、そのように意識的に喚起する必要があるわけなのに、そのとき自分が心にずっしり感じたことは、流れる時間とは無関係に、逆に研ぎ澄まされていく。

 当たり前の日常が、一瞬で消え去るという無常観。

他の死にささえられて成り立つ、自分の生 というもの。

手のひらを合わせたときの 両手のぬくもり。

猫ちゃんの分も、ハルをかわいがるんだ。という稚拙な思い。

心で口ずさんだ鎮魂歌。

すべては、自分の血となり肉となり、私の中で生き続けていく。

 



 
この記事にコメントする
Name
Title
Color
Mail
URL
Comment
Password   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret(管理人のみ表示)
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 25 26 27
28 29 30
フリーエリア
最新CM
[11/06 https://propranolol-global.github.io/]
[02/01 extiday]
[01/28 innori]
[01/20 innori]
[12/29 extiday]
最新TB
プロフィール
HN:
Chie
性別:
女性
職業:
主婦 英語教師
趣味:
バレエ 映画鑑賞 
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(11/15)
(11/16)
(11/19)
(11/21)
(11/24)
P R
Copyright ©  My favorite things All Rights Reserved.
*Material by Pearl Box  * Template by tsukika