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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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先日亡くなった叔父の遺影にお花を手向けるために、
叔母が一人きりで住んでいるお宅を訪ねた。

大きな広口のガラスベースに、花束をセッティングしている叔母の横で、
お焼香をして手を合わせる。

いまだにあの世との意思疎通方法がみつからないまま、
「おじさん、ちいちゃん 来たよ。」と、この世のしきたりのまんま、
思いを声に出している自分がいた。

叔母が「そうよ、ちいちゃん、来てくれたのよ。」とやわらかな声で繰り返す。

叔父の思い出話や、看護の苦労話で30分ほど過ごした後、
お昼ごはんを一緒に食べに行こう、と叔母が誘ってくれた。

出かける直前になって、前々からお願いしようと思っていたことを、
実際口に出して言ってみる。

「叔父さんの数限りない洋書の中から、一冊、形見としてもらいたいと
思ってるの・・」

突然のお願いを快諾してくれて、叔母は微笑みながら叔父の本箱から
数冊の本を引き出してくれた。

洋書一冊と、山本一力さんのジョン・マン3冊を譲り受けた。
それだけで十分満足していた私をよそに、叔母は小さな引出しを
すっと引いて、そこに横たわる高価なペンの数々を指し、
「一本持っていって。」と言ってくれた。

何十本もあるボールペンや万年筆の中で、私の目に浮き出るように
光っていたCrossのボールペンをもらうことにした。

叔父が亡くなってから、私はひとつ気づいたことがある。
私は「アンクルコンプレックス」だったのだ。

叔父の辿った文章を私も辿って行く。
叔父の愛用していたボールペンで文章を書く。

これらの行為が、心もとない叔父とのつながりを
鮮やかにしてくれる。






















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