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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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黄金に輝く稲田に、人の手が入り始める季節。

刈られて束ねられた稲が、規則正しく干される様子を、
ふるさと村の農道を散歩しながら眺めていた。

芽を出したと思ったら、あっという間にすっくり伸びて、
深紅の花を咲かせる彼岸花を、今年は逃してしまったか
・・・と悔やんでいたら、野草だらけの農道脇にちらりと
目を引く 赤 を見つけた。

もしや・・のはかない期待は、即座に確信の大粒となり、
興奮へと転がり変わる。

枯れかけたお花たちの中に、たったひとつ、私を待っていて
くれたかのように 彼岸花が咲き誇っていた。
明日にはしおれてしまうのだろう。

方や、玄関に飾ってある造花は、時間の推移に知らん顔で、
色を失わず形を失わず、毎日私を迎えてくれている。

いつもの、お医者さんの帰りにたち寄る雑貨屋さんの入り口は、
通行人のほとんどが気づかないような小さなもので、
それでもそこから続く階段は、私を別世界へと導いてくれる。

壁一面に飾られている高品質の造花で作られたリースや花束は、
造花嫌いの私にひとつの変化を与えてくれたものだ。

その日は、行く度に一緒にお話していたお店のご婦人の代わりに、
オーナー自らお店番をされていた。

「もしかしたら店長さんですか? こちらのお花のアレンジをされて
いる方ですよね?」 という私のぶしつけな質問に
「そうですよ。」と満面の笑顔で答えてくださった。

小さな小鉢のアレンジメントを購入した私に、

「お家にコーヒーの空き瓶あります? そこにラメの砂を詰めて
すぐに自分好みのアレンジができるわよ。今度持ってらっしゃい。
一緒に作りましょう。」

すごく嬉しかった。 
でもこういう嬉しい話に私はすぐに飛びつけない。

お代はどうやって支払ったらいいんだろう?
教えてもらうんだから、当然材料費だけ、というわけにはいかないし。
それにしても初対面で、どうしてこんなにやさしいことを言ってくれるん
だろう?

瞬時に、頭の中をこんなことがぐるぐる旋回したが、
「ありがとうございます。今度コーヒーの空き瓶持ってきます。」

と言って お店を後にした。

人とのつながりは、どんな風に始まるものかわからないんだし、
私は多分 近々コーヒーの空き瓶を抱えて、彼女のもとに
訪れることになるんだ と思う。























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