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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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「ちび猫ちゃん。」

 この言葉で、ふわふわのカーリーヘアーから、にょきっと可愛い三角の耳が突き出ている あの人間の形ををした猫ちゃんを思い出した人・・親近感を感じます。

 私にとっての大島弓子さんは、漫画家 というよりも、感覚の共有者。や、これは巨匠にいたく失礼なので、ちゃんと言い直すと、感覚的な影響をとても受けた結果、自分の中に取り込まれてしまった大島ワールドが、自分本来のものに溶け込んで、あつかましくも自分顔をしだした・・という感じかな。

 とにかく彼女の世界が大好きなのです。

だから、映画化したって知っても、逆に喜べなかった。
この世界を、実写で?

 でも予想を大きく裏切って、すごくよかったです。
満足しました。 金子監督、日菜子ちゃん、佐野さん、風吹さん、ありがとう。

 一流企業でエリートコースまっしぐらの主人と 気立てがよくて学校の成績も抜群の娘を持つ主婦、良子に、ガラガラと音をたてて、幸せの崩れる日がやってきてしまった。 平常に見えた毎日。の背後にあった、夫の会社辞職、娘の登校拒否というダブル事実を、突然知らされることになる。

 何でも屋の会社を立ち上げ、ご近所にびらを配る二人に、良子は言うのだ。

「近所が仕事の宝庫ですって? あざけりと冷笑の宝庫よ。失業の夫。登校拒否の娘。ご近所の作り笑顔の向こうに 彼らの優越感が見えないの!?」

 夫の失業と子供の登校拒否?それがあざけりと冷笑の的。というならば、なんのことはない、私自身も、その典型的な的なのかもしれない。だって私は両方ともしっかり経験済みだから。しかも、夫の失業は3回くらいあるもんね。

 でも私、強がりで言うんじゃなくて、夫が失業していた時、すごく楽しかったんだ。毎日ハルと3人でいっぱいお散歩したし、3食一緒にゆっくりごはん食べて、家事もたくさん手伝ってもらって、バレエの送り迎えまでしてもらって。

 今思い返すとほんとうに「大人の長~い夏休み」のようだった。

息子も高校行かなかった時期に、私がバレエから帰ると、おいしいお昼ご飯を作ってくれたりしてた。そして、だからというわけではないと思うけれど、今彼は料理の道に進んでいる。

 世間が、あら、お気の毒に。かわいそうに。・・と思う状況であっても、実のところは けっこう気楽だったりもするということだ。

 肩書きや名声やお金の額が素晴らしくても、心が空っぽという場合もあるだろうし。

 誰かをうらやましい。と感じたとき、そう思う理由になっている要因が、その人の価値観とつながるのだと思う。例えば、大会社にお勤めのご主人、名門大学の子供達を持つ奥様をうらやましいと思うのであれば、その人は自分が他の人を見るときもその尺度で人を判断するのではないかな。

 大きな一戸建て、お金持ち、匠、アーティスト、クリエイター、美男美女、セレブリティ、権力者・・人間が身につける固く重いさまざまな「よろい」を、なんとか身につけ続けていくために、人は 一生のうちのほとんどを費やし、過ごすのだ。

 私だってそういうの、まったくうらやましくないわけではないけれど、今一番うらやましいな、と思える人たちは、何をしているとしても、世の中が作った理想の型・・みたいなのから、精神的にすごく自由で、人のために何かをすることに心底幸せを感じられる人。

 私は、まだまだ自分のことに精一杯で、このまま行くと、人のために何もしないまま死んじゃうかもしれない。 生きているうちに少しはまともになれるだろうか。

 この前の日曜日、私の母、きみさん がお世話になっているグループホームの「夏祭り」に参加してきた。

 折に触れて 認知症の母を、人は「不憫でとてもかわいそう・・」と言ってくれる。

 でもね、きみさん、とても穏やかな顔をしているのよ。みんなにすごく可愛がられているのよ。娘の私が最近思うのだ。きみさん案外幸せなんじゃないかって。

 余興にいらしてくれたフラダンスのチームが、子供3人大人4人の上手な人たちで、最後に任意で観客の数人に、レイをかけて下さった。きみさんは事情がわからないので、私がレイを受け取って、舞台に導かれ、フラを一緒に踊ってきました。

 なんだかとても楽しかったです。


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chie先生のフラ
いい日記だなぁ。
しみじみといろいろなことを思い起こすことができました。失業とか浪人とか、ドロップアウトの醍醐味を知らない人間には「コク」というものがありませんよね。ステレオタイプを嫌う私としてもあなたの感覚にはおおいに共感したいです。
最後に「舞台に導かれフラを踊った」と書かれていてその姿を連想し心和みました。
バレエをしていることは存じていますが、それを語るときのあなたは凛々しすぎて、私はたじたじです。
でもね、この、お母様のそばにいてフラを踊るあなたは、もう完全にちからが抜けきっていて抱きしめたいほどのかわいらしさです。
kohara 2011/09/05(Mon)02:51:49 編集
Re:chie先生のフラ
Koharaさん、ありがとう。

是非次回、飲み会ででも会ったとき、酔いにまかせて抱きしめてくださいな。

フラは楽しいです。力を抜いて、ゆったりしたハワイアンにあわせて踊っていると、とても気持ちいいです。

バレエは、人間が二本足で歩き始めて、その進化の最先端を行っているようなものだから、はっきりいって大変です。

でも、許される限り、もうちょっと続けようかと思ってます。

フラは、スポーツクラブで昔習ったことがあるのですが、簡単そうにみえて奥深いです。数年後、レイかけて踊っているかもしれません。



Chie  【2011/09/05 16:30】
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