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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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同じ夢を何度も見る。というのは、どういう意味があるのだろうか。

 実際には存在しない街が 夢の中には存在する。
いつもは忘れているのに、目覚めたとき 久しぶりに訪れたその場所に懐かしさを覚えているのだ。

 でも今回見た夢は、様子が今までとは大きく違っていた。
大きくカーブする道を進んで行くと4,5階建ての小さなビルがあり、私の大好きな雑貨屋さんが2階にあるはずだった。なのにそこはドラッグストアーに変わっていた。

 大通りに出ると、前回まではなかったイトーヨーカドーが大安売りをしていて、その前の歩道は入場制限されている人たちであふれかえっていた。

 夢の中までデフレの影響があるなんて、信じられない。誰にも邪魔されない私だけの世界のはずだったのに。

 慣れ親しんだ街並み という表現は、今では存在意義が危ぶまれる。
現実世界ではこの傾向はより顕著だと言える。

 ちょっと間隔をあけると、ついこの間まであったおなじみの店がすっかりなくなっていたりするからだ。 そして実際、その代わりにドラッグストアーがどんどんはびこっているように思えるのは私だけ?

 あと何十年かしたら、世の中コンビニとドラッグストアーだらけになっちゃうんじゃないだろうか。

 夢の中の雑貨屋さんはもともと存在しないのに、お店で売られていた物の素材感、薄紫色の壁紙、物の形や色に惹きつけられた時の高揚感が現実味を帯びて、今でも私に迫りくる。              それはそれは不思議な感覚。

 秩序や常識の存在しない夢の世界なのだから、次の時には案外ちゃっかり説明なしにもとどおりになってたりするかもしれないしね。

 誰か、同じ夢を見たいときに見る方法 知りませんか?

 

 早朝のお散歩が日課となって早一ヶ月。
その日その日の風の勢いや気温の微妙な違いも、肌で感じられるようになってきた。

 今日は際立って空気がなまぬるく、極寒コートを着込んでいった私は途中で汗をかくほどだった。

 寡黙な人の横顔のように、いつもは氷をはって静かな緊張をたたえている小さな池の水面も、風にまかせて陽気に揺らいでいた。

 人は寒い寒いと言ってあたたかさを求めるが、私は冬の期間のこういうなまぬるさは苦手だ。体のいろんなところがゆるんでしまうような感じがするからだ。

 そんななまぬるい突風に枯葉たちが踊らされ、時折渦を描きながら空中にのぼり行く様は、洗練されたパフォーマンスを観ているようだった。 ハルと私は、観客になってしばらくボーっと見入っていた。

 帰りがけにふと横を見ると、 ひからびたすすきの茶色の中でカラスが地面をつついていた。こぶりなサイズからすると、まだ赤ちゃんカラスなのかもしれない。だからなのか カラスのくせに人なつっこい。

 背の中央に几帳面にたたまれている羽の先が、少し紫がかっているのがすごく美しかった。

 朝の公園は、ほとんど私たちが独り占め。
仲良くなればなるほど、いろんな表情をみせ始めてくれる。

 
もともと出不精な私は、寒くなると余計に家にとじこもりたくなる。
かと言ってまめに家事をするのかと言ったら、そりゃまた別問題だ。

 アイロンされるのを待っているシャツやハンカチたちの山が、日ごとに大きくなっていくのを視野の隅のほうで確認しつつも、見なかったことにして、ハルとじゃれたり、雑誌をめくったり、ちょっと勉強みたいなことしてみたり。

 アイロン超嫌いなんです。

 嫌いなことは、ながら作業でごまかすに限る。
ということで、アイロンの時間イコール、私のテレビを見る時間 映画鑑賞の時間となる。

 右手を絶えず動かしながら、河瀬直美監督の 「沙羅双樹」を見始めた。
でもすぐに、河瀬監督の映画は、何かをしながら見れるようなものではないことに気づいた。
 
 台詞が少なく、つまりそれこそ言葉で何かを説明することを忌み嫌うほどに少なく、目の前の圧倒的な映像を、そのままポーンと無垢の状態のまま見る側に気前よくあずけてくるのだ。映画の原点て、こういうものなのかなと思った。

 この沙羅双樹では、監督自身も役者として 重要な位置を担っている。

 お産のシーンは、自分のお産を思い出すほどにリアルだった。
これまでドラマや映画で見たお産の典型的シーンは、うそ臭さ満点の騒ぎ過ぎ、ってやつだった。

 お産は、陣痛と次の陣痛の間は結構普通でいられるものだ。私なんてまだ間隔があいている時は居眠りしていたくらいだから。

 河瀬映画は、余計なことをしない。役者に演技をさせない。(出演した役者さんは、演技する。ということについて改めて考えさせられるのだろうな。)商業的なうけをねらわない。そして私たち観る側は、価値観を試されてしまうのだ。

 実際私は、カンヌで新人監督賞を受賞した「萌の朱雀」をあまり理解できていないと思う。

 それでも私は河瀬さんの映画が好きだ。河瀬さん自身も好きだ。

 あの器のでかさは、やはりただものではない。半端なく器がでかい女性というのは、女神に近い。男性はたちうちできないだろうな。

 そういえば最近もうひとり女神を見つけたの。
写真出版社 赤々舎代表の 姫野希美さんだ。
無名の写真家を年月かけてじっくり見守り世に送り出す。

 二人には大きな共通点がある。商業ベースでけっして動かないところだ。
 
 女神たちの活躍を陰ながら応援したい。

そして私のアイロンの山は増えるばかり。

 


 
 
 
忙しい朝の一こまに必ずしていることがある。

とりあえずさーっと一通り、朝刊に目を通すことである。
その一環として、必ずラテ覧にもチェックの目を入れ、いい映画や気になる番組がないかを確かめるのである。

 毎日それを繰り返していると面白いもので、番組内容をまったく知らないのに、番組タイトルだけでやたらと惹きつけられるものが出てくるのだ。

 NHKhiビションのテレビ覧に、猫のしっぽ とだけ書かれたそれを、気になって仕方がなくなるまでにそう時間はかからなかった。

 それでも忙しさに紛れて日々が過ぎていった。

 ある日の兄との電話中、兄の口からその番組名が飛び出したのでびっくりした。

見てないのなら見たほうがいいよ。あなたにすごく合った番組だと思うから。と。

 実際の番組名は、 「猫のしっぽ かえるの手」という、より愛らしいものだった。

 英国から日本に移り住み、現在京都大原の古民家で暮らしをたてているベニシアさんの日常がていねいに映し出される。

 自然を愛し、古いものをいつくしむベニシアさんの生活は、季節の移り変わりとともに素敵な彩りがそえられる。

 丹念に育てられたお庭のハーブが、料理や薬、季節のオーナメントとなって活躍する。

 ベニシアさんに憧れるのはもちろんのことだが、ベニシアさんに所有されたものたちが、とてもうらやましく思える。

 ふっくらとしたベニシアさんの手で、育てられ磨かれ愛されているからだ。

 それにしても、こんな素敵な番組を私に合った番組と兄が言ってくれたことが、嬉しい。

 実際のところ、忙しさを言い訳にしながら 人に対しても物に対しても細かい思いやりを忘れがちになっていることを反省しつつ、目指している方向はベニシアさんの生活だからだ。

 ほったらかしにされてベランダでしおれてしまった鉢植えを見て、ごめんね、私変わるから。と手を合わせる。
 

 
「そろそろ飛び始めたよね。」

これを聞いて、本当に。と即答できる人はその後こんな風に続けるのでしょう。
「目の周りが痒くなりだしたし、鼻の奥もちりちりずるずるする。」

 花粉に敏感な人は一月上旬で違いがわかってしまうのだ。
いばるわけじゃないけど、私もその違いのわかる輩の一人だ。

 新型インフルの影響で、マスク人口が軒並み増えてしまった今では、花粉防御のマスクも季節感を失ってしまうなあ。と どうでもいいことを考えていた。

 外出時に、みんながみんな常にマスクを着けるようになったらどうなっちゃうのだろう。この先の未来を変えてしまうかもしれない。

 だってマスクをして帽子をかぶった日にゃ、知っている人でもお互い気づかずに素通りする可能性大だし。

 マスクをしてなかったら、一目ぼれをして結ばれていたかもしれない男女も、ただの通行人すらの意識もなく、通り過ぎていってしまうでしょ?きっと。
少子化傾向に拍車をかけるかもよ。

 これは問題でしょ。絶対。

 人としての基本である、ご挨拶がまず危機にさらされる。
偶然出くわした旧友との再会に手を取り合う可能性も断たれる。

 それに顔のほとんどを覆うというのは、言ってみればドラえもんのお面つけているのとあんまり変わらないわけで。
 
 お面はより人を閉鎖的にするわよ。私の独断だけど。

 それでなくったって、テクノロジーが私たちを、形だけのうすっぺらな自分の世界に追いやっているというのに。

 なので私は鼻水たらしてでも、このまま外を歩こうと思う。



 



 
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