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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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 実は、まわりの誰にも言ってなかったことがあるんです。

 この4ヶ月間我が家のだんなが失職していた ということです。

 人に言わなかったのは、そんなこと告げられても多分言われた方は反応に困るだろうと思ったし、変に気を使われるのも同情されるのもいやだったのです。

 経済的な心配はありましたが、結婚以来こんなに時間を一緒に過ごせたのは初めてです。ショックより幾分ほっとした思いが強かったのは、毎日夜中にぼろぼろになって帰宅する主人を見ていて、もう限界なのではないかと危惧していたからでしょう。

 ゆっくり休んでいいから その間、禁煙と減量だけはやってもらうからね。と現状、肩身が狭いであろう主人の心情につけこんで、常日頃望んでいたことを押し付けてみました。

 禁煙はニコチン量を日に日に減らしていくよう作られた1か月分のパイプセットで
成功です。朝は玄米食にし、ハルとの散歩に毎日平均1時間くらいかけた結果、7
キロ減。ストレスのかからない生活の中で、だんなのひとつひとつの細胞がよみが
えっていくようにみえました。

 昨日から新しい会社で働き始めたからこそ言えることなのでしょうが、この4ヶ月
間は、天から降ってきた、救いのロングバケーションだったと云えましょう。

 
 
 郵便受けを開けると、夕刊に隠れるように3枚のはがきが来ていた。
差出人は、高校時代の友人 子供が小さかった頃のお母さん友達 そしていとこだっ
た。
 
40才代後半で再婚したいとこの幸せなお知らせとは対照的に、友人たちのそれは、お父様やお母様の訃報だった。

 渋い声の持ち主のダンディーなお父様だったな・・・  彼女のお母様は、遊びに行ったときにおいしいお茶とお菓子を出してくださったんだ・・・と、もう十年以上前にお会いしたときのことがよみがえる。

 私自身も5年前に義父を亡くし、続けて父を亡くしている。
そして 母は私を自分の娘と認識できない。

 幼い頃からずっと自分より強い存在であった親が、年とともにとても弱い存在になり、関係が逆転する日が来るなんて思ってもみなかった。母親の認知症を受け入れるまでの心の葛藤は、自分の想像をはるかに超えたものだった。

 年をとることの残酷さを見続けた結果、希望がまったく持てない時期が長く続い
た。

 不思議なことだけど、あるつまんない考えが私を救った。
まじめに生きよう。ってこと。それが目標になったの。そしたら、努力嫌いが地道な
努力をするようになった。

 今のところそうやって生きてます。
11月もあとわずか。ホント早いです、日々が過ぎるのは。
街に出ても、クリスマスの趣が前面に出されているところが何と多いことか。
それどころかお正月用品まで並んでいるお店もあってびっくり。
 我が家も例年に漏れず、昨日ツリーを出しました。

 子供が小さいときは、子供のために出していると思ってた。でも子供が成人した今でもツリーを飾っていることを考えると、単に私がそうしたかっただけなのね。クリスチャンでもないのに。

 毎年少しづつ増やしたり入れ替えたりしてきたオーナメントは、愛着のあるものばかり。木製のもの、ニットのもの、ワイヤー、ガラス、リボン。次第にゴールドのものが少なくなり、シルバー系に統一されて来たのは2、3年前から。雪のイメージに近づけたかったのかもしれない。

 今年は電飾を新しくした。LED球でホワイトとシャンパンゴールドの二色。ひとつひとつのライトが、木の枝にとまっているホタルのよう。

 ガラス製品がとても好きで、気に入った小物を見つけるとつい買ってしまう。
今日買ったのは、水色のリボンがかかった小さな箱を形取ったもの。
一目ぼれをしてしまったのです。

 20年物のオーナメントから今年加えられたものまですべてまぜこぜに飾って、も
うホント極個人的な話なのですが、ずっと見てても飽きないのです。
 愛犬ハルを連れて、だんなと箱根に行ってきました。

 紅葉には少しばかり遅いのでは という心配を、気持ちよく打ち砕いてくれる圧倒的な風景だった。

 成川美術館で名画を堪能する。合間合間にある大小の、一点の曇りもなく磨かれた
窓ガラスに迫りくる景色も、これまた秀逸な絵画として静かに存在していた。
特に芦ノ湖と山々を一望できるカフェテラスは、そのあまりの尊大さに 自分の視野の限界を口惜しく思うほど。

 いやちょっと待って。美術館で名画を堪能? まるで絵画に造詣深く聞こえるのがこっぱずかしい。むしろ真逆で、図工の時間、自分が描いたぺったりとした絵を周りと比べ、才能のあるなしの存在を初めて知ったほどなのだから。

 美術館を訪れるというのは私にとって、踏み込んではいけない聖域になんかの拍子に許されてしまったという感覚。神業に近い行いに、天にも届くような高いレベルで完成されたひとつひとつの宇宙に 出会える場所。手持ちの本のページをいくらめくろうとも、記されていない世界がそこにある。

 片隅に 世界の万華鏡がたくさん展示されていた。とたんに私の目は小さいな子供
のそれになり、貪欲に覗いてみてまわった。

 建物を後にして、圧倒的な色の洪水に気おされたのか、三半規管がうまく働かない。そんなアンバランスな感覚を楽しみつつ、車の中でお昼寝しているハルの元に戻ったのです。

 ハルは、私たちが戻ると 大きなのびとあくびをした。活動開始準備完了とばかりにくりくりの目を光らせて、エネルギーをもてあましているようだった。

 ハルのお散歩に最適な所として、箱根ビジターセンターを選んだ。
これが good choiceだった。

 子供たちが小さかった頃に何度か訪れたときとはまったく変化していた。
きれいに整備された遊歩道があり、それは自然と調和できるほどのさりげないもので、何が良いってほとんど人がいないのが私にとってはこの上なく素晴らしいのだ。

 ビジターセンター内の展示や説明も、以前より情報が引き出しやすくなっていてとても楽しかった。

 お散歩中に、芝を掘り起こしたような土穴がたくさんみられ、ハルがくんくんと執
拗に反応した。なんだろうね、と言っていたら、偶然にも今日の朝刊でセンターが取
り上げられていて、イノシシがみみずを求めて掘った穴だとわかった。

 なんとタイムリーなんだろう。ハルはこれで、イノシシのにおいを覚えたのね。と
ても臆病なハル。あんな獰猛な相手とは、露ほども思っていないでしょうね。
きっと。

ハル、また一緒に旅行行こうね。
 彼がいなくなった我が家。平和を取り戻したものの少し気にかかるのは、未練のある証拠なの? いやいやたいしたことじゃないんです。たかが、蝿なんです。

 でも本当にあなどれない強敵だった。蝿がつきまとってうざい、と誰もが感じ始めたときから、我が家の蝿君追い出し作戦、捕獲作戦は始まったと言っていいだろう。でも実に軽く見すぎていたんだ。窓を全開すればすぐに出て行くだろうと。

 そして事実彼はオープンスペースめがけて屋外に飛んでいくかに見えた。ところがだ。窓枠の位置ぎりぎりのところで、ブーンと旋回したかと思うと、何と私の目前すれすれを余裕で横切ったのだ。それを数回繰り返された日には、こいつ、完全に私をおちょくっていやがる。と確信せざるをえなかった。

 その後、ほーら、ここだよ。といわんばかりに人の視界の中でうろちょろして注意を自分に向けさせる。時折、その存在をなくすかのようにひとっ所にじっとしている。今だ!と忍び足でビニール袋を持ってきて、まるで小さなボタンでも落っこちているように見える彼の上に広げ、その位置を合わせる。息を殺しながらじりじりとしぼんだ風船のように膨らんだビニール袋をおろしていく。彼は微動だにしない。

 すれすれの所まで袋を下げることができた時、私はすでに9割りがた勝利を確信していた。意を決して、えいやっと敏速に袋を彼に覆いかぶせた、はずだった。

 袋の中に彼の姿はなかった。この行為を何回繰り返したことだろう。その間、彼は人のおでこにとまってみたり(しかも必ず右上の生え際のところと決まっていて、計4,5回ピンポイントでそこにだけにとまられた。)、だんなが仕掛けたコロコロカーペットの、べたべたのないわずかな端っこにとまって、ほ~ら全然平気だよ~。
とばかりに再び飛び立つのだった。

 もしかしたら彼は蝿の形をしたロボットで、誰かに操られているのではないだろうか、という疑念が湧いてきたとしても、誰も責めないでほしい。そう。本当に宇宙人が、調査のために無差別に選んだ家庭に 彼を飛ばしているのではないか と、半ば真剣に思い始めていたのです。

 翌日、娘も悪戦苦闘しながら でもやはり とことん彼にばかにされ 開け放ったベランダに向かってこの野郎!!と、お下品にも叫んでしまっていた。
彼は何事もなかったように、その背後で踊るように飛んでいた。

 私は、極力冷静に彼に言った。私をを怒らせたら怖いんだからね。と。
相手を蝿と思ってはいけない。私は集中力をたかめた。無心でビニール袋を彼の上に被せた。入った!と娘が言った。だがしかし ここからも彼のことだ、油断は禁物だ
と自分に言い聞かせ 袋ごとベランダに放置した。

 長い長い戦いだった。

 敵ながら本当に心からあっぱれだ!!とできることなら伝えたいものだ。
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