昨晩、「逃走中」という番組を見終わると私は、重い腰を上げて、残りの片づけ物をするためにキッチンに移動した。あらかた片付いて、テレビの前に戻ると、つけっぱなしの画面の舞台は
太秦(うずまさ)撮影所にすり替わっていた。

そこでは、たくさんの芸人さん達が大喜利でしのぎを削っていた。
内容や様子を理解した私は、体のどこかにこわばりを感じながら、繰り広げられるシーンを見て
いた。いたたまれなくなってテレビのスイッチを切ろうと思った時、すっとつきものが落ちるよ
うに体の緊張がほどけるのを感じた。

「シンクロニシティー」だ。

何かがつながった気がした。そこにある何かを受け取った気がした。
私はすっかり満足して、テレビのスイッチを切り、思い残すことなくお風呂に向かった。


大雨で散歩に行けない時間を、録りためてあった映画を見ることで昨日のお昼を過ごしていた。
観た映画のタイトルは、「太秦(うずまさ)ライムライト」

大部屋の切られ役を50年以上されていた福本さんを、主役に抜擢した映画だ。
福本さんは映画の中でも、切られ役として終始一貫していた。

前日の金曜に、この「太秦ライムライト」がソース元であろうと思われる
「スローな武士にしてくれ」を見ての　今日のピックアップだった。
今日は　もひとつ　つなげて　チャップリンの「ライムライト」でも観ようかな。

これらの映画は、自分の価値観をシビアに問われる。
スポットライトを浴びてる人も、まったく浴びてない人も、真っ向から自分の価値観を
問われてしまう映画だと思う。

もし私が役者だとしてね、ずっと主役を張って来た結果、行き詰まりを感じたとしたら、
私だったら今までのシステムから抜き出て「脇」を選択するよ。

趣味で脚本書いていたんだけどね、自分の周りに起こる現実が、フィクションを大幅に超えて
トラジックであったりドラマティックであったりすると、フィクションて描けなくなるって
知った。でもいつかまた描ける時がきたら、どうしようもなく人の心に残ってしまう脇役
が、あまり主張せずに出てくる物語を描きたい。

　人間の関係性って、たとえうまく行かなかったとしても何かを残してくれるもんなんだね。

「美意識の高さ」って人それぞれだと思うけど、美容　ということに関して言えば私はめちゃ
無頓着で、安い化粧品使い続けてここまで来たの。
(あ、でもアロマは好きで、時々化粧品DIYしたりするけどね・・・ちなみに『メリッサ』は
高級エッセンシャルオイル。知ってのことかな？namingとしては抜群のセンス。
座布団一枚あげたいっ)

やばっ、横道にそれたわ
つまり何を言いたいかと言うと、３，４か月に一度、なんならポニーテールなんかしだしち
ゃったら半年に一度しか美容院に行かない私なんだけどね、「そっかあ・・そうだよね・・
自分の顔だものね、自分の体だもの、年齢に関係なく少しでもきれいに保てるよう努力するっ
て必要だね・・」って素直にうなづいている今日この頃の私。

あれからね、自分なりの美容ケアの時間を少し多めに取ったりしてる。
今掌を頬に押し付けるとね、吸い付いて跳ね返ってくる。効果出てきたかな
残してくれたもののかけらをいとおしんで大切にしてると、胸のあたりがあったかくなる。

洗面所の鏡に向かって　ニッ　なんて笑いかけたりして、今日もいい笑顔じゃん、がんばれる
ねー・・なんて鏡の自分に言っている。

　大人だから平気　っていうのは、そのつもりではいるんだけれど。
パン制作中に2次発酵終了の時間を大幅に逃し、結果酸っぱいパンを焼いてしまったり。

平野啓一郎さんの「マチネの終わりに」を最近読んでね。映画も今上映中だね。
愛を独り占めしたい一人の女性の嘘によって、真実を知らずに、膨大な時間をそれぞれに
過ごしてしまうことになる二人。

静寂が支配する大地に　しんしんと降り積もる雪のように時間が堆積していく。
真実はもはや些細(ささい)なことかもしれない。だから私も求めない。

「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでいる。だけど実際は未来は過去を変えている」
「花の姿を知らないままながめたつぼみは、知ってからは、振り返った記憶の中で、もう同じ
　つぼみじゃない」・・マチネの終わりより

人との出会いによっても過去は変えられる。私にはそう思えた。







」