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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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 日常に戻ってみたら、あたりがすでにひんやりしていた。

 横になっている私のお腹の上で、座っている膝の上で、ハルが丸まって過ごす時間が急に増えてきたな、と思っていたのだ。

 空気を通すために、数週間 いつも窓辺にかけておいたバレエの衣装も、発表会本番後に返却済み。すっきりしたような寂しいような。

いろんなことを抱えつつ、何とか無事に終わってくれたことに、大きな安堵感。
お友達が下さった綺麗なお花の香りに、今、ゆっくりと包まれ、呼吸を意識しながら時計の進む音を聞いている。

 非日常を暮らしていた私は、ずっとアイロンに近づくことを拒み、結果巨大な洗濯物の山を造ってしまっていた。

 昨日ふと我に返り、一気に増えたBSチャンネルの期間限定無料放送を見ながらアイロンをやっつけながら半日過ごした。

 前から興味があった、ブルーマンと歌舞伎のコラボ、ブルーマンと和太鼓のコラボの芸に目が張り付いてしまい、時々アイロンの手を止めては、いかんいかん、とまた動かす、ということを繰り返していた。

 踊りを踊ったのが、たった二日前のことなのに、どっぷりと日常につかるやいなや、もうすでにずっと昔のことになってしまったように感じる。

 記録の意味も込めて、衣装のファブリックやティアラ、楽屋部屋 友達の頭飾りなどの写真を残します。












赤を探していた。
だだっ広い緑の中に、一点、彼岸花の深紅を探していたのだが一向に見つからない。。

 去年咲いていたはずの場所は、隅々まで草刈が行き届き、名残のひとかけらもない。
しょんぼり帰る公園の遊歩道、赤色をあきらめた途端、ふと前日のテレビで見た可愛い白いクマを思い出す。

 NHKアーカイブスで放送された「白くまピース」だ。

 誕生から数ヶ月の赤ちゃんぐまは、文句なく可愛い。
「ほんと ぬいぐるみ みた~い。」なのだ。

このドキュメンタリー、「飼育員の高市さんと白くまピースの5年間の記録」は、様々な大切な
ことを私に再確認させてくれた。

 ピース。平和。
たくさんの動物が園で殺された。その戦時中の悲しみを、2度と繰り返さないように・・という
気持ちが込められた名前だそうだ。

 母親の育児放棄によって、やむなくピースの人工哺育が始まる。
前例のないむずかしい哺育に、飼育員の高市さんは、全身全霊で取り組み、感染症の危険な時期
を乗り切る。

 その後、すくすくと育つピースを世話しながら何気なくおっしゃる高市さんの言葉が心に響く。

「目を見れば、彼女の感情や体調の変化が読み取れる。普段からずっと一緒にいないとわからない
微妙な変化なのでしょうが・・。」

「言葉のない関係で、その動物が一番何を求めているのかを考える飼育員でありたいし、そうでな
くてはならないと思います。」 

水に慣れさせる訓練中に、水を怖がったピースが高市さんを噛んだ。
すぐにバシッとたたいてものすごく怒る。

「信頼関係があるからたたける。そうでなければすぐに敵とみなされてしまう。」

 動物を育てるのも人間の子供を育てるのもきっと根底は一緒なのね。
子育てをしている頃に、高市さんの言葉を聞いてみたかったな。
この数日間、何もない時間があれば、欲ばらずにそのまんま何もせずに過ごしていた。
積極的に心がけてやったことは、体調を整えるために、いつもより多い睡眠を取ることくらい。

 めまいの薬を処方してもらって、今日は大分いい感じ。
なので、すこしづつリハビリを始め出す。
今日明日で、なんとかぶれの少ない体にもっていかなくてはならない。

 こういうことをやっていると、昔読んだ漫画、「まことちゃん」の一話を思い出す。

総立ちファンの黄色い声を浴びながら、ステージ中央でバリバリのロックスターがギターをかき鳴らし、シャウトしている。

えげつない男の子の主人公、まことちゃんが、楽屋に戻った彼を、影に隠れて観察している。

ロックスターは、見られているとも知らずに、次から次へと自分の身を締め付けていたものをはずしていく。

アフロのかつらをはずすと、サイドをわずかに残してつるつるに禿げあがった頭が現われた。白く輝いた入れ歯を取ると、口の周りはしわくちゃになり、カラコンを取ると、まぶたが急激に垂れ落ちて、星きらめく瞳が突然ハの字の様相に。腰のコルセットをはずせば、ぽっこりでれーんと妊婦のようなお腹がむき出しになり、姿勢はその都度、がっくりがくりと年寄りのそれに近づいていく。

 一通りの動きの後、そこにはロックスターの後影みじんもない、ただのひなびたおじいさんがパンツ一丁で立っていた。 まことちゃんはそれを見て、ヒエーッと目をむくのである。

 これは極端な話だけれど、長年何かを続けていくということは、幾分こういった滑稽さを含まずにはいられないような気がする。

 私は今、言わば 彼の逆バージョンを進行中なのだ。
おばあさんからバレエを踊る人になるべく、関節ひとつひとつを極限までのばし、筋肉をのし、体の軸を探してバランス感覚を戻していく。

 それだけやるのはつらいので、BSプレミアムをつけて、それを観ながら行っていた。いろんな番組を見ていたら、体のみならず、心もたくさん動かしてもらえて、なかなかのいい時間だった。

 


 

黒の礼服を互いにまとって、30年ぶりの先輩達に再会する。

 コツンと抜けてしまった欠落の穴を共有しながらおじぎしあうと、遺影の中で微笑む彼の 生きていた大学時代、そして彼のいない今、の間の長い長い30年間を、「あっという間」の点にしてしまった。

 居酒屋で献杯を重ねる。
彼の席を作り 白ワインを満たしたグラスを置く。

 ひょうきんでいつも人を笑わせていた彼のことを、誰かがこう言った。
「・・・・のことを悪く言う人はひとりもいなかったね。」

 みんながうなづく。

 深刻な病床にあってもそのことを伏せて、常に周りに明るく気丈に振舞う彼の傍らで、正直つらかった。と奥さんが言った。

 私は彼のどれくらいの「本当」を知っていたのだろう。
へらへらと、おかしなことを言って笑わせてくれる、あのゆるくて楽しい彼しか知らないのだ。

 ワインのおかわりを重ねていたら、向かいにすわっていた同期のたえが、えんえんと泣いている。

 気が強くって、人一倍元気な彼女が声を上げてびしょびしょになっているのを見ていたら、あったかい気持ちがこみあげて 彼女をずっと見ていた。

 「ねえ、みんな悲しくないの?」 と腫れたまぶたを動かして私を見た。

「悲しいよ・・・・。でもたえがそうやって泣いているの見てると、不謹慎かもしれないけれど、嬉しい気持ちがするの・・」

変なことを言ってしまった私に、ありがとう。と涙声で言い、彼女は続けた。

 「私、きっと最後だと思う。私の時には誰も見送る人がいないかもしれない。そう思うとまた寂しくて悲しい。」と言って、また泣いた。

 私はなんだか彼女を抱きしめたいような気持ちになり思いつきで言ってしまった。

「大丈夫だよ。こちらで送る人と天で迎える人の人数が移動するだけの違いだから。先に逝ってたら温かく迎えるからさ。なるべくここでも一緒に長くいれるように私頑張るし。」

 翌日、お酒が抜けてから、メールで彼女が同じことを言ってきたので、私もまったく同じことを書いて返信した。

 そしたらいつもの彼女らしく 「了解っす。」
と絵文字つきで返事が来た。





 

 

あれも書きたいこれも書きたい・・と思っていた。
でもその気持ちは、一日一日を埋め尽くし、エネルギーをほぼ持っていかれてしまう 「大きな予定」 に、呑まれてしまっていた。連日の、バレエ発表会のリハーサルである。

 でもそれを休まずにできている日々は、今の私にとっては奇跡的なのだ。感謝せずにはいられないほどに。

 そんなにいったい何を書きたかったのかを思い返してみた。これがほんと、たいしたことなどひとつもなくて、その事実が 私の人間の、私の人生の小ささを、如実に物語る証拠となって私に返ってくる。

 家事をしていたら、南側の小さな公園がにわかににぎやかになった。
この感じは2度目の経験なので、確かめなくても公園の状況が手に取るようにわかってしまう。過去のブログにも書いたことがある、幼稚園児のお散歩だ。

 ベランダからのぞいてみると、二つしかないブランコに長蛇の列ができている。
先生の掛け声が聞こえる。いーち。にーい。さーん。しーい。ご。
はい、終わり。

 子供達は、形だけ、5回だけ、先生によって揺さぶられ、お行儀良く次の順番の子と入れ替わる。
空にも届きそうなほど、こがないブランコなんて、子供だった私にはぶらんこじゃないはずだった。そんな風に文句を言ってはみ出す子は、今日の子供達にはひとりもいなかった。

こういう秩序は、喜ばしいことなのか悲しむべきことなのか、もうすっかり大人を超えて、ベテランの大人になった今でも、私にはよくわからないのである。

 そんな私は、今でもいろんな場面で、自分がはみ出てしまうのを自覚する。
細かいことなら面倒くさいからみんなに合わせてしまう。
いい加減すぎるのかな。とも反省する。でもみんな、窮屈そう。

 先生のカウントは律儀にゆるぎなく続く。

 上野動物園で高齢出産の結果、子象が生まれた。
高齢出産でなくとも、難しいと言われる、国内での象の繁殖を可能にしたのは、お父さん象とお母さん象の相性が抜群に良かったからだそうだ。

 大きな動物の赤ちゃんは、その大きさのギャップゆえに可愛さもひとしおだ。

 家の近くに、富士山がある。公園の中にある『川和富士』だ。
その川和富士に登ると、本当の富士山が見える。
富士の上から富士を拝み、神聖な気持ちに浸る。

 このような些細なことがらを頭に思い浮かべて暮らしていたら、突然夜中に訃報が届いた。

 大学時代の、ひとつ上の先輩が亡くなられた。
ついこのあいだ、背中合わせで居酒屋さんで談笑していたのに。

とんとんと私の肩をたたいて、[ちえ。あのさー・・・」と言ってくれたあの言葉と笑顔が、私にとっては最後のものとなってしまうなんて、思いもしなかった。

心からご冥福をお祈りいたします。










 

 
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