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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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ここ最近、体のだるさに屈して、ごろごろする時間が増えてきている。
ゴロゴロしながらできることは限られている。

この雲が覆いかぶさってしまったような感覚にさえも響いてくれるような、何か
特別なものはないかと、テレビをつけては、ブラウジングしている自分がいる。

この時期の私は容赦ない。
映画を観出す。 オープニングが気に入らなければ、もうそこで
終わり。すでに次を探しだし始める。

体調がいい時は、もっともっとずっと寛容なのに。

そんな「鈍感なのに超わがまま」という、この世の敵 のような今の私でも、すっーと
その世界に入り込み、わき目も振らずに最後まで観てしまった映画が、荻上直子監督の
「トイレット」 と 太宰治原作 根岸吉太郎監督の 「ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~」だ。

「トイレット」 では、もたいまさこさん演じる「ばあちゃん」の全編通してしゃべる台詞が、
たったの一回、ほんの一言、ふた単語であった。 

墓地のシーンで始まる。  メインの登場人物が喋らない。
という映画の設定が、もともと個人的な好みであることも、「トイレット」 に感情移入できた
理由のひとつかもしれない。 

娘の死を境に、アメリカ人の孫たち3人と突然一緒に暮らし始めたばあちゃんは、
見知らぬ土地で、長いこと まったく口を開かないという状態が続いていた。

同じ空間で同じ時間を過ごす内に、ばあちゃんと孫たちのかたくなで交わりのない
関係性は、冷たく凝り固まっていた複数の孤立した物体が、一度、また一度と積み上げる
温度上昇で軟化し、溶け出し、輪郭を失って混ざり合うように、大きな変化を遂げていく。

時間とともに冷え切っていく関係性の方が、リアルな世の中だけに、この、
「心が溶け出す瞬間」が、まぎれもなく私の 希望 につながる。

「水が高きから低きへ流れるような、そんな体のだるくなるような 素直さ 」
と、大谷こと 太宰が表現した、松たかこさん演じる、「ヴィヨンの妻」の「さっちゃん」にも、
私は確かな希望を見出すのだ。

寝ころびながらブラウジングして、自分は何を探していたのかと思ったら、
そういうことだったのか。









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