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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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二つに裂けている爬虫類の舌先が、体とは別個の生き物のように
しなやかに動いている。 

それを見て 超気持ち悪い! と思う人もいれば、
すこぶる魅力的!と思う人がいるから・・何と不思議な
世の中でしょ。

金原ひとみさんの芥川賞受賞直後に、出版された分厚くて安い
文学雑誌で、受賞作「蛇にピアス」を読んだ。

そして先週観たのは、蜷川幸雄監督の映画版「蛇にピアス」。


 
「スプリットタンって知ってる?」
アマは先の割れた自分の舌を、ルイに見せる。

ここで驚きなのは、この青年アマの舌先は、先天的なものでは
ないということだ。 

(あ、ここから、痛~い話になっていくので、苦手な方はここでストップ
してね・・)

まず舌ピアスをする。どんどんピアスのゲージを上げていって穴を広げ
ていく。 数字が下がるほど、ボルトは太くなる。5、4、3、2、1・・・

憧れの00ゲージにたどり着けば、スプリットタンまで、あとわずか。

「何も持たず、何も気にせず何も咎めずに生きてきた」女の子 ルイは、
痛みそのものに 生きる証を求め、スプリットタン と 刺青に自らの心身
を強烈に集中させて行く。

ここで私がとても興味をそそられるのは、人間の体の持つ、しなやかな
順応性。  なんの傷もないまあるい舌が、穴をあけられ 拡張されて、
最後には割れた舌先になって、いわば人体改造が完成する。

私が毎日やっている体のストレッチも、似たような方向性かもしれないと
思う。 体は急には柔らかくはならない。

毎日毎日関節と関節の間隔をお米粒ほど広げていく。
つらさを通り越すと、伸ばし加減がわかってくる。
でもやっぱりつらい。

それでも続ける。
数年経つと、かなりの変化が自覚できる。
それでも「00ゲージ」には、まだまだ遠いかな。

人間の体はすごいなって思う。

水泳の人は、水泳の人の体形に、アメフトの人はアメフトの人の
体形になっていくでしょ?

リハビリだってある意味人体改造に近いんじゃないかな。

スプリットタンを、人は 鍛錬 とは呼ばないかもしれない。
ほとんどの人がそれを褒めることはしないかもしれない。

でも、人間の意志と根気によって継続された動きに、
人体が順応し、変化していく種のことに、私は「生きてる証」
を見てしまう。 ルイのように、痛みにそれをみることはない
けれど。

蜷川さん演出のお芝居を観たことがない。
でも観に行ってみたいと、この「蛇にピアス」を観て思ったの。

藤原竜也君と小栗旬君を、チンピラのちょい役に使う蜷川さん
のお茶目な部分。
で、そのお茶目な演出が、あの透明感100%の藤原竜也君に、
「チンピラやらせたら他に右に出るものはいないでしょ。」レベル
の演技をさせてしまった。

あ、でも言っとくけど、お子さんたちと一緒に観ないほうが
いいと思うよ。



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