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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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 いつものことではないのだけど (言い訳がましいな・・)、自分の年齢に合わないものに
ハマってしまうことが結構ある。

例えば、28歳の阪本裕吾監督の「ベイビーわるきゅーれ」シリーズ。
サブスクで観ることのできた過去の映画2本、そして今テレ東水曜夜中に放映されている
ドラマシリーズ(TVerで最新話観れます)も楽しみながら、
新作映画「ベイビーわるきゅーれ ナイスデイズ」も満を持して劇場に観に行った。

こういうのを観る時は、いつもはオープンな私も こそこそと秘密主義になる。
誰にも言わずに一人でそーっと目的を遂行する。

ところが今回は大きく違った。
ヨガクラスで、そして六地蔵作りのクラスで頻繁に会っていたミサちゃんに、
「私ね、殺し屋の映画観に行くの・・」とポロリと言ってしまった。
私がやたら楽しみにしてる風に見えたのかもしれない。

ミサちゃんはすぐさま、自分も行きたい、と反応した。

私は焦って「殺し屋の映画だから・・すごい残酷シーンとかあるし趣味じゃないと
思うよ。やめといたほうがいいよ。あ、そうだ! ベイビーわるきゅーれに今回出演
している池松壮亮君の映画・・田中裕子さんとの共演の、ちょっとシリアス目の映画が
11月初旬に公開予定だからそっち一緒に行こう!そっちの方がいいよ・・」

と頑張ったのだがミサちゃんは首を縦に振らない。

参ったな。と思ったけどもう観念した。
ミサちゃんの現在治療中の双極性障害が、映画を観て悪化しませんように・・と祈りながら
当日車で彼女を迎えに行った。

蓋を開けてみると、ナイスデイズはこれまでのものより乱闘シーン、殺しのシーンが
満載で、ん~・・大丈夫だろうか・・と隣のミサちゃんを気にしつつ、でも映画は進んで
いった。

大丈夫だった? と終わってからすぐさま聞いたら、
「ちえちゃん、こういうの好きなんだね・・」とミサちゃんが無邪気に笑った。

ん~・・好きなのかなあ。好きなのかもね。

映画の中の殺し屋は若い女の子たちで、私生活はとことんオフビートで可愛らしい。
でもやっぱり醒めた目で物事を見ている感じかな。

ひとたび仕事に入ると男性にも負けない俊敏さと力業で、乱闘シーンを繰り広げ、
ナイフや銃使いのテクニックもすごくて圧倒される。

まひろを演っている伊澤彩織ちゃんはスタントパフォーマーであるから、アクション
シーンでは水を得た魚のようだ。

そしてこの可愛い二人が簡単に人を殺すのだ。
銃で撃つ。ナイフで刺す。返り血を浴びてなおいっそう冷静になる彼女たち。

人を殺すなんて世の中で一番いけないことなのに、スクリーンの中での殺人を、
冷静に見続けている私。

あっけなく殺す彼女たち、あっけなく死ぬ人達。

今回、最強の殺し屋として彼女たちと戦ったのは、池松壮亮君演じた冬村かえでで、
番組「メシドラ」で穏やかな素をたっぷり見せてくれた池松君と同一人物とは思いづらい。

そして、ちさと役の高石あかりさんが、次の朝ドラのヒロインになることをさっき知って
驚いたところだ。

高石あかりさんも好きだけど、私はまひろ役の伊澤彩織ちゃん推しなので、もちろん
朝ドラ観るけど、さおりちゃんももっと見たいな


8月9月があまりに忙しかったので、私の2番目の仕事、ペットシッターについては
10月中の仕事を随分とことわった。

11月から1日おきでゴールデンリトリバーのお散歩が定期で入るので、それまでに
リカバリーの時間をたっぷり取りたかったのだ。

猫ちゃんも随分お世話させてもらった。
大変だったのは、中には警戒心の強いねこちゃんがいて、お世話仕事をしている間に
隠れてしまうことだ。

あれはまだまだ暑い9月の初旬、姿が見えなくなった「しょうゆちゃん」を汗だくに
なって探していた。

最後の方に、下駄箱の下に細い隙間があるのが目に入り、こんなところまさかね、
と思いながら、土足の床に側頭部を擦り付けて覗き込んだら、奥の方で二つの目が
きらりと光った。

どんだけほっとしたことか。
めちゃ疲れたよ・・

でも総じて動物は可愛い!
癒される。

ゴールデンのお散歩楽しみです。
ロカちゃんていう女の子なの







去年?それとも一昨年のいつ頃だったろうか?
何気に流れてきた車のTVCMに、即座にウチらは反応した。
「ジャニスじゃないよね・・」「じゃ一体誰なんだ?」

かのジャニスジョップリンの「Move over」を遜色なくカバーしている張本人を突き止めるべく、
画面の隅々をなめるように目で追い、片隅にある「GLIM SPANKY」という文字を頭に刻んだ。

驚いたことに彼らは、20代半ばの男女の音楽ユニットであった。
そこからの彼らの活躍は今ここで書く必要もないと思う。

その「GLIM SPANKY」が、一昨日の夜中のBS番組「The Covers」に出演した。
もちろん録画に抜かりはない。

番組を観ながら、「自分の子供と同じ世代の若者たちに、こんな気持ちにさせられるなんて
不思議だよね」と私が言うと、中学生の時からハードロックを中心に、聞いたり演奏したり
してきたダンナがぼそりと言った。
「久しぶりにぞわぞわするんだよね」

その後に続く言葉を、我慢強く待っていると、
「70年代で終わってたんだ、このぞわぞわ感・・・今復活。」
なるほど。

 火曜日は私にとってのドラマデー。
9時からツヨポン主演の「嘘の戦争」(他の人のセリフもちゃんと読んでる?)
10時から坂元裕二さん脚本の「カルテット」と2本続けて観ている。

そのカルテットの中で、満島ひかりさん演ずるすずめちゃんが、期待に胸を膨らませたり
興奮したりした時使う言葉に「みぞみぞする・・」というのがある。

ぞわぞわしたりみぞみぞしたりするのって、生きていくうえで大事なことだよね。


「 バクマン。」観てきましたよ!!

私はミーハーなのでね。観た後に、「バクマン ダイカット ラバークリップ」なるものを
購入してしまいました。着ているVネックのTシャツの、Vの2辺のそれぞれに、ブローチみたい
にくっつけて、ルンルンしながら家事してる。で、今も付いているのね。

左には、シュージンのエンジとねずみ色のジャージをかたどったクリップ、右には、サイコーの
ブルー系の太めのボーダーTシャツに重ねられたブルーのパーカーのクリップ。
ふたつつけてるとコントラストがすごくいいの。あの映画の中のサイコーとシュージンみたいに。

漫画家さんの毎日というのは、私にとって完全なる異世界です。
私の大好きな漫画家、大島弓子さんのノンフィクション漫画に、よく締め切り前の「修羅場」が
描かれていた。

象を描けば近未来の宇宙人になってしまう私にとって、一日だって徹夜ができないへなちょこな
私にとって、3日も4日も寝ないでネームを考えたり、大小様々なコマ絵を髪振り乱しながら描
き続けるなんて、完全に想像を絶する世界だったのだ。漫画家さんに一番必要なのは、ストーリ
ーや絵を創造する才能に加えて、頑丈な肉体であるのはきっと間違いないでしょう。

「バクマン。」の、サイコーの体が限界に達して、トイレで自分の血尿を見て倒れるシーンがある。それで、大島弓子さんの修羅場シーンにも血尿事件があったのを思い出した。

ただサバイバルできなかったのは大島さん本人ではなく、飼い始めたばかりの猫の「サバ」
だった。サバのお便所を見た大島さんは、「うわーきれいなルビー色のおしっこ・・なんて言っ
てる場合ではない!これは血尿だ。」と焦ってサバを獣医さんに連れて行くことに。

傍にいる人間たちの嵐のような精神状態が、猫に血尿を出させる・・いやこれは想像を絶する
世界なんだろうな、と私は呆然としたのをおぼえている。

クリップだけでなく、バクマンのパンフレットも買ったらね、これがまたユニークなパンフ
レットで、読み応えがあった。写真や文章も、徹底して漫画のコマ割りや吹き出しを意識して
あって、映画のパンフレットを読んでいる感覚と大きく違う楽しさを味わえた。

私がワクワクするのはね、サイコー・シュージンコンビが、佐藤健くん・神木隆之助くんコンビ
の実際の関係性によって、映画の中で確実に影響されている部分。

健君はインタビューで言ってました。
「リュウの演じるシュージンがすごくしっくりくるんですよ。」って。
この「しっくりくる」って何気ない言葉だけど、最高の褒め言葉だよね。
シュージンがサイコーに漫画を描くことへの熱い情熱を語っているシーンを見ている時、あれ?
私今お芝居観てるんだよね・・演技なんだよね・・と、自分の頭にふとよぎったのが不思議だ
った。それくらい隆君はすごかった。それをね、健くんがちゃんと認めてる。
で、隆君はというと、あまりに正直に健君への憧れを言葉にしてしまったことで、何か今ネット
を騒がしているとかいないとか。

少年ジャンプを再現したロケセットを見て、実際の編集部の方が思わずうなった、という
エピソードは、とてもうなづける。って私は本物見たことないのだけれど、あの空間は、
ふつうの人は入ることを許されない空気感がある。長年たくさんの人たちを楽しませるために
集結され続けてきた情熱とエネルギー。怒鳴り声、汗、迫りくる時計の音、交差する足音、
切り捨てられたトカゲのしっぽ、怨念、強欲、ばんざい、涙、狂気、興奮、喜び。
あらゆるものが渦巻いていて、私は一瞬息を止めてしまった。

大根仁監督の映画はこれからもずっと観ていきたい。




ブログを書くときに、ほとんど無意識に実行していることがある・・はずなのです。
それを意識の上に持ってきて、具体的な言葉にすると、多分こんな風だと思う。

嘘をつかない。物事を大げさに書かない。自分の感情のはけ口にしない。
実存する登場人物を守る。  もっとあるだろうか? ま、基本はこんな感じ。

で、最近またシナリオセンターに通い出してシナリオを書いていると、同じ私が書いた物が
それとは反対方向へと突っ走る。
つまり、そこにあるものは、全部嘘で、物事がやたら大げさに展開し、登場人物に入れ込むあまり、
ふと気づくと自分自身の感情をその人物にぶつけ、熱く語らせていたりしているのだ。
その結果、気の毒なことに、そこに登場する彼女や彼は、その世界ですり減ってへとへとになった
りしている。

ちょっと罪悪感を感じるけど、フィクションも楽しいな。主婦の趣味としてはなかなかいいかも
しれない・・と最近思ってる。

昨日書いたせりふの一部に、
「・・・何かに書いてあったよ。悲劇ってのはさ、人の悪い部分からではなくて
良い部分から生まれるって。正義感とか優しさとか愛とかから悲劇は生まれるって・・」

これはね、最近村上春樹さんの「海辺のカフカ」を読み直していて、再会した言葉でね。

来週、蜷川さん演出の「海辺のカフカ」観に行くんだ。
すごい楽しみにしているの。

春樹さんのカフカがアメリカで脚本化されて、それを逆輸入したような形で日本語に翻訳され
たものが蜷川さんの手にかかり上演されている。

お芝居なんてほとんど観た経験がない私。
でも最近は、ピンと来たら行動するようにしているの。
今日中に「海辺のカフカ」読み終わりそうです。



今もっともホットな話題の又吉直樹さんの小説、「火花」を読んだ。
ちょっとへそ曲がりな私は、2百万人以上の人が持っている単行本を買う気になれず、
芥川賞受賞作二作が全文掲載されている文芸春秋を購入した。

それでもすぐにそれを読まなかったのは、その時一緒に本屋さんに並んでいた又吉さんの
エッセイ、「東京百景」と「第2図書係補佐」を立ち読みしたら面白くて止まらなくなり、両方
とも買って帰ってしまったからだ。エッセイ2冊を堪能した後、やっと火花にあり付けたのだ。

又吉さんの才能や成功を、うらやましくないと言ったら嘘になるが、その才能や成功より
も私がうらやましいと思うのは、彼の持つ 静かでやわらかな優しい視線 である。

エッセイを読んでいても小説を読んでいても、オイコノミア(テレビの経済番組)で彼が
話しているのを聞いていても、その視線はいつもそこにあった。

驚くべきは、彼が理不尽な状況に追い込まれた時でさえ、その視線がぶれないことだ。

一緒に住んでいた友達が、又吉さんの置いていた3万円をネコババして突然消える。
でもそれだけではすまなかった。その友達が作った借金の取り立てが、なぜか又吉さんへと方向を
変え、催促の電話が鳴りっぱなしに。その友達が「又吉という男が代わりに返すから・・」と彼の
電話番号を借金取りに教えたからだ。

それを知った又吉さんは当然のことながら怒る。
でも、その友達の居場所を突き止めて顔を合わせた時には、彼の怒りはすでに消えてしまっていた。
「どうしてここがわかった?」と焦る友達に、可笑しさを感じたからだという。
そこで友達の全財産の4千円の半分、2千円をむしり取って帰ったと又吉さんは書いていた。

3万円取られたのにどうして2千円? 4千円持ってたのにどうして2千円だけなの?
怒ってたのでしょ?ひどいことされて。裏切られて。
計算高い私にはわからない。というか、そのやわらかい視線がうらやましい。

オイコノミアに、ギャンブル好きの「平成ノブシコブシ」の徳井さんがゲスト出演されていた。
経済学の先生が、徳井さんは又吉さんにお金のことで迷惑かけたことはないのですか?と
たずねたら、徳井さんはちょっと考えて「多分ないと思う。」と答えた。

そしたら又吉さんが、「迷惑かけられたことはないのですが、同じ貧乏人時代から、なぜか
ごはん食べると僕が必ず払うことになっていたのですが、なぜだろう?ってずっと思って
ました。」と、長年の疑問を初めて打ちあけるように言った。

そしたらまた徳井さんが、「最初から彼は大物になって大金を稼ぐヤツだとわかっていた。
だからそうしてきたんだ。実際大物になってからおごられ始めるのは嫌なんで・・」みたいな
道理が通っているようないないようなことを言ったのだった。この番組は芥川賞受賞前。

でもすごおい。徳井さんの言うこと、ずばり当たっていたね。
ずっとおごってもらってて正解だったね。
さすがギャンブラー。これっ!ていうところは外さないね。

文芸春秋を買ったことで、文学界大御所の方々の芥川賞選評も読むことができた。
何よりも選者の方たちの人間性を、かなりストレートに垣間見せてくれているのが興味深かった。

それにしても「何でも屋」とか「一発屋」という、それこそ一発でそのものの価値をグンとさげ
ることが可能な、悪意が微妙にまとわりついている揚げ足取り的言葉が、こんな高尚な選評に使
われているとはびっくりした。

読み手側は、さまざまなテーマの下に流れる作者の思いを感じたいのだし、静かでやわらかな
優しい視線で作者が見るいろんな世界を、これから共有したいだけなのだ。

そうだ、私ずっと又吉さんて、ファーストネームだと思ってたんだ。
直樹さんて素晴らしいお名前があるにもかかわらず、私にとって又吉さんは、
「又吉又吉」なんだ。

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