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日々の生活から気になる事柄やものたちを、日記を通して紹介していくサイトです。水曜日には「やわらかい英文法」と題して、英語に関することを載せています。(平成23年3月現在)
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「もしも神様がいるとしてね・・。たくさんの人達の命を奪い、残された人
たちにどん底の悲しみと苦悩を与えて、いったい何を示そうっていうのかしらね?」

昨日、朝食のテーブルで、3年前の映像をテレビで見ながらそう言った私に、ダンナが
ちょっと考えて、「神様は人間のことなんて、あんまり気にしていないのかもね。」
と答えた。

私は目からウロコが落ちたかと思った。
いつも思ってたんだ。神様はなぜこんな不条理を許すのだ。と。
3.11以前にも、あまりに残酷で不運な事件を耳にするたび、やっぱり神様なんていない
んじゃないか。と思っていたんだ。

世界を創り、自然をコントロールする全知全能の神がいるとして、その神が人間のことを
常に気にかけていると思うのは、人間のおごりなのかもしれない。

小さなアリが私たち人間の考えを理解する術を持たないように、私たち人間も神の
考えをわかりようがない。

神はいつの時でも私たち人間を捨て去る用意をしている。
眼中にないのかもしれない。
だから私は神を信じない。

宗教とは所詮個人的なものであると思うのだ。
私は自分の心に自分だけの神様を置こうと思う。

それは亡くなった父や母なのかもしれない。
俯瞰するもうひとりの自分なのかもしれない。
私のことは全てお見通し である存在を心に置いて、問いかけ、祈り、懺悔して
行こうと思う。
とうとうここまで来たかと、諦め心にさえもなる。
本当は2度目のはずなのに、初めてのようにその映画を観ていた。
途中までまったく気がつかない。しかも夫婦二人で。
でもどことなく見覚えのあるシーンに、あれ?と首をかしげ始める。

昨日アンソニーホプキンス主演の「アトランティスのこころ」という
映画を観ていた。途中でハッと気づいてからも、その後の話の流れやエンディング
が思い出せない。こんないい映画なのにほとんど忘れているというのはどう
いうことだろう。

多感な時期の少年 ボビーのアパートに、一人の老人テッドが越してくる。
小さい時に父親を亡くし、仕事に追われている母親の不在に寂しさを感じていた
ボビーが、テッドと仲良くなるのに時間はかからなかった。

何気なく語らい合いながらも、テッドの深みのある言葉はボビーの心にその都度
届き、彼は成熟への扉を開きはじめるのだ。

ここでとても異色なのは、テッドが普通の老人ではなくサイキック(超能力者)で
あったこと。彼の能力を必要とする政府組織から逃れ、身を隠すためにボビーの
アパートに引っ越してきたのだ。

自分の能力ゆえに、普通の幸せを手に入れることのできなかったテッド。
テッドにとってもボビーとの日々は、温かくて人間臭い、この上ない幸せな日々で
あったに違いない。人々の、特にボビーの心情が細やかに描かれていて、とても入り
込める映画だったのだ。

なのに、なのに、忘れていた。中身ほとんどを。見たことさへも。エンディングも、だ。

二度目のはずなのに、「このあとどうなるんだろう?」とワクワクできるなんて、
いわば「倍 美味しい」わけで、自分の記憶の貧しさを悲しむよりも、その部分をあえて
見るようにしようか・・しょうがないもの。

でも、旦那と言ってたんだけどね、二人ともこんなにきれいに忘れるなんて、テッドの
超能力パワーが観てるこっち側にも及んで、我々の記憶力を操作したのではないかって。
何言ってるんだって思うでしょ。でもそうしか思えない不思議さを感じる映画だったの。

そういう感覚を感じたい人は是非観てみてくださいな。







先日の雪が思わぬ場面で功を奏してくれた。
二回目の雪だったと思う。外でしか用を足したがらないハルを
ダンナがバルコニーに連れて行った。もちろんそこは雪景色。
吹きっさらしのコンクリートは真っ白い雪に覆われていた。

これまでも雨の日に何度も試してはみたけど、ハルは騙されてくれ
なかった。ここは本当の「外」じゃないでしょ?と、上目遣いの
表情を浮かべ、肛門をキュッと結んじゃって用を足そうとしない。

でもとうとう雪に騙された。それ以来雨の日でもバルコニーで
してくれるようになった。これは我が家では、特に私には画期的な
ことなんだ。今までインフルエンザにかかり、朦朧としていたとしても、
苦しさだらけのほんの一ミリの隙をねらってはハルを抱えこみ、6階の
階段を行き来していたからだ。

今日も雨が降っている。・・ハルくん、今日はバルコニーでね。と言って
いとも簡単に全て済ませることができた。・・お利口さんだね~。と言って
おやつをあげてこの行為を彼の脳みそに根付かせている。

自分の体調が良くない時の雨は優しい。
しとしと降る雨が、ゆっくりしていていいよ。と言ってくれてるようで。
怠け心かな?

霧雨が降っています。
このところの暖かい気候とこの雨で、しつこく道路の片隅に残っていた雪の塊も
視界から消え去った。

雪は溶けても、あの大雪の日の衝撃は、今少しの間 人の話題にのっかり続ける
ようだ。昨日の稽古の合間に、バレエの先生も友達も、それぞれにその時の
ことを思い出しては、ため息をつくように雪の日のことを語ってくれていた。
「しょうがないから職場まで一時間以上かけて歩いたのよ・・」
「雪の上を歩くというのは、思うよりずっと時間がかかって大変なのよね・・」

我が家でも、ダンナが雪の日のことを数日前に話していた。
あの日混乱を避けるために、早めに会社から切り上げて乗ったバスでの
出来事を話してくれたのだが、このところそのことがずっ~と私の頭に引っかかり
続けている。

早帰りの人で、すでにそのバスはギュウギュウ詰めになっていたそうだ。
運転手さんはこれ以上人を乗せるのは危険だと判断し、次のバス停で待っていた
ご婦人に、丁寧にその旨を伝えた。そのご婦人は、「みんなが少しづつ詰めれば一人
くらいのスペースは空けられるはず、なんでそんな意地悪をするのだ。」と頑として
譲らず、5分くらい押し問答が続いたそうだ。

ご婦人は最後には諦め、バスは発車する。

このエピソードから、私はイギリスの豪華客船タイタニック号のことを思い出す。
沈没が避けられない状況での人々のパニックは想像の範囲を超えている。
クルーによって救命ボートへの移動が誘導されたとき、子供と女性が優先されることに
納得がいかず、立派で裕福そうな一人のジェントルマンが叫んだという。
「俺は地位も名誉もお金もある人間なんだ!誰よりも先に助けられるべきだ。
お金ならいくらでも出す。 」と。

人間は、危機に直面することなく平穏無事に生きている限り、動物として奥底に根付
いている「自分の生を守る本能」が醜い姿で引き出されることはそうそうない。

自分の命が危険にさらされた時に、人を押しのけても助かりたい・・と思うのが人間
本来の本能ならば、それをコントロールする理性というわずかな力でこの世の中は
危なげに均衡を保っているとも言える。

戦争での悲惨な出来事の数々も、危機的状況に直面したことで、本来影を潜めている
人間の本質性が大きく引っ張り出され、その時代の大義名分、興奮状況と相まって、
残酷な行いを正当化する方向に突っ走っていったに違いない。
美化されがちな「自分の命を惜しまない」という本能にまったく相反する行動も、
まったく逆方向ではあるけれど、その悲しい極端性には変わりない。

沈みかけてるタイタニック号に乗っている自分がいる。
さて私はどうするのだろうか? パニックになって泣きわめき、人を押しのけても
助かろうとするのか。それともあらゆる恐怖と戦いながら目の前にある運命を
受け入れ、最後まで気高き人間でいようとするのか・・ まったく自信がない。

隠れている自分の本質に目を逸らさず、生きていこうと思っている。



所々に残っている雪の塊も、日毎に小さくなっていく。
明日からは、春を感じる気候になると、お天気お姉さんが言っていた。
これで路上の雪も一気に消えてしまうことだろう。

土曜日 梅林を見にふるさと村に行ったら、人の行き来が少ないせいだろう、
しこたま雪が残っていた。歩きづらくて苦労したけれど、「雪と梅の花」
のコンビネーションはなかなか見ごたえがあった。







昨日は休みの娘を誘って、近くのギャラリー主催の「戦争とカメラ」という
展示会に行ってきた。写真の記録性が戦争とカメラを近づけ、航空カメラ
による敵陣視察調査の可能性が、カメラを兵器に変えていった・・と
資料に書いてあった。ハイスピード写真も軍事と結びついて進化してきた
らしい。

そこにある状況を、目の前にある形を、正確に記録的につぶさに写し取る。
というカメラの能力の側面に、ほとんど意識を向けていなかった私は、改めて
カメラの冷静沈着な能力の凄さに意識を向けることになる。







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